出雲の龍蛇神に会いに行く〈1〉出雲大社

きょう11月19日は、出雲大社の神等去出祭(からさでさい)、
神在祭に集った八百万の神々が、佐太神社での神在祭へとお発ちに。
1週間経つというのに、出雲旅の余韻は薄れない。

出雲詣りを敢行した目的は、神在祭に会えるという龍蛇神。
沖縄久高島のイラブー海蛇と出雲の龍蛇神について書いてから(記事はこちら
というもの、一度は龍蛇神にご挨拶をと思っていた。
そこで直前予約。飛行機も宿も「残数1」に滑り込んでの1泊2日。

神迎祭の翌日13日、
朝いちばんで東京を発ち、出雲大社に着いたのが10時半。
長蛇の列だった祓戸社は諦め、拝殿、本殿、素鷲社、神楽殿と巡拝。

そして下の写真。千木が八雲山に突き刺さるかのような、
勇壮な本殿の大社造りに惚れ惚れする。御神体山の八雲山(標高90m)は、
古くは「蛇山」と呼ばれたという。目線はあくまでも「蛇」狙い。
まずひとつ、古代出雲・龍蛇族の痕跡を見る思いだ。
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1時間待ってようやくお詣りできた龍蛇神・セグロウミヘビ。
体調1m程度。昔は2mのものも稲佐の浜に打ち上げられたという。
南方から黒潮に乗って北上、晩秋の北西風に押されて出雲の浜に漂着する。
海を照らして依り来る姿から「神様の使い」と考えられた。
神迎祭に集った神々の先導から、一夜明けての神々しい立像である。
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龍蛇神の奉拝所(仮テント)は、拝殿の横に設えられていた。
長い列に並び、拝殿の屋根に止まった鳩と日の丸などを撮影しつつ、
古代の高層神殿に思いを馳せる。
古代の本殿は、ちょうどこの拝殿のあたりに建っていたらしい。
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出雲国造第八十三代・出雲大社宮司の故千家尊統氏の著
『出雲大社』を読んで以来、その巨大本殿に南島の匂いを感じていた。
抜粋すると、以下のようなくだり……。

御本殿の構えは水上住居の名称を示すものではなかろうかとも思っている。
元来、出雲民族は海洋系の民族であるから、このことは十分に考えられる。
地勢上から見ても背には八雲山、左右に鶴山、亀山をひかえ、
全面には今は埋まってしまったが海に面した地点で、きわめて住居に適した地である。
言い伝えによれば、ご本殿の位置は昔はもっと前方で、只今の拝殿のあたりであったといい、
実際に数年前に今の拝殿を新築したとき、地下から堀立柱が出土し、
その下が海であった事が立証された。床が非常に高いこともこの想像をうなずかせる。
おそらく今の島根半島が島であった当時、外洋を通航する船は、
日の御崎から杵築の方に入って内海を通ったことであろう。
その入口に、大国主神が住居を構えておられたものと想像される。

a0300530_60882.png夕方訪れた吉兆館でオンエアしていた古代巨大神殿CGより借用。古代本殿は高さ十六丈(48m)あり、西(稲佐の浜)向きに建っていた。急坂状の桟橋の長さは約110m。手前の赤丸部分は私が並んでいた龍蛇神テント付近、海に描いた赤丸は約900m離れた弁天島。

参拝の順番を待つ間、
右手、海と反対側には北島国造館の門(四脚門)が見えた。
紅葉も美しい日本庭園の趣き。
門の一本右から境外に出ると、その先に「社家通り」が伸びている。
そのとき、ふと思った。
稲佐の浜と古代本殿を結ぶ東西軸、社家通り、その先の東方には何がある?
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龍蛇神にめでたく参詣、お神酒をいただいた後、
社家通りを200mほど歩くと命主社(いのちぬしのやしろ)があった。
祭神は神皇産霊神(かみむすびのかみ)。

下の写真は、その後ろにある真名井遺跡。
出雲大社より400年古い時代の遺跡、江戸時代に銅戈(どうか)
と硬玉ヒスイの勾玉が出土した古代の祭祀場。木に縄が巻いてある。

聞けば、毎年11月初旬に地元・真名井地区の人々が稲藁を巻き直すという。
どおりで真新しい稲藁のその巻き方は「蛇巻き(じゃまき)という」そうだ。
出雲では藁を蛇に例えるそうで、これはただならぬ沖縄の習俗との一致。
久高島の古祭イザイホーでも、祭りが終わると、
稲藁で編んだ綱引き神事の綱を「蛇状に巻き」東の山に置いた。
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というところで、1日目は時間切れ。
快晴から一転、雨模様の空の下、日没前の弁天島へと急いだ。
高天原の使者が浜に剣を付き立て大国主大神と国譲りの談判をした、
出雲族にとって屈辱の浜。弁天島の頂上に社がある。
祭神は豊玉姫、古くは弁財天を祀っていたという。
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出雲大社境内と周辺マップ。青い線は筆者。
古代本殿(中央青丸)から西へ行くと稲佐の浜。
東(右)へ行くと命主社、真名井の清水。
もしや、その先にあるのは古代本殿より古い磐座?
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地図上(12)が拝殿(13)本殿(14)楼門(15)八足門(16)十九社(17)
素鷲社(18)神楽殿(19)四脚殿
(『出雲大社周辺まちあるきマップ』より拝借)
by utoutou | 2013-11-19 09:23 | 出雲 | Trackback(1) | Comments(0)
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