旧正月の久高島〈3〉アカララキの隠れ女神

正月元旦の盃事が行われている外間殿を覗いた後、
さてどこへ行こうか? と自転車を漕ぎ出したところで、
神人(カミンチュ)のKさんにバッタリ会った。
知る人ぞ知る現代の神人。その霊力を頼り各地から来客がある。

挨拶の後「きょうは?」と聞かれたので、とっさに言った。
「アカララキへ」。するとまた、思わぬ質問が口を突いて出た。
「アカララキとアラハバキは同じ神様ですか?」

新暦の正月、瀬織津姫神に参拝してからというもの、
いつも頭の隅にあったのは、確かにそのことだった。
封じられた縄文の女神・瀬織津姫=異名同神のアラハバキ
=アカララキ? 御先(上古代)天孫氏王朝の存在は、
沖縄にも縄文の女神が祀られていることを暗示している。

「んー」と首を傾げた後、Kさんはおもむろに言った。
「まったく同じではない。しかし、本質は同じ神です」

というわけで来たアカラムイ(森)、の横の道。ここに自転車を置く。
すぐ下は、王府時代に君之泊(ちみんとぅまい)と呼ばれた港。
巡礼時、聞得大君はアカララキ(嶽)にお参りして島に入ったという。
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正月元旦午前のアカララキ(アカララキの説明はこちらにも)。
正しくは「アカラの神」は普段と変わらない表情で在った。
アカララキは「門の番」(じょうのばん)。そして再生転生を司る女神。
秘祭イザイホーでは、久高殿の神アシャギの奥に「出張」して祀られた(こちら)。

外間殿からお祝いの謡いと三線と島人たちのざわめきが聞こえてくる。
お賽銭なし、お線香なし、祝詞なし、この上なくシンプルな正月参拝。
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ふとアカララキの裏側が気になり、回り込んで、驚いた。もうひとつの
御神体石が隠れていた。祠の真裏。祠との間に香炉に見立てた貝皿まで。
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アカララキにも奥宮があったとは知らなかった。
私たちは、神社本殿の奥宮には、隠れ神がいることを知っている。
私が昨年来訪れた古社にも奥宮があった。籠神社には真名井神社があり、
出雲大社に素鷲社(そがのやしろ)が、宇佐八幡宮には大元神社があった。
また伊勢神宮の内宮奥には、瀬織津姫が祀られる荒祭宮が控えている。
語り部に電話すると、
「アカララキはアラハバキを隠していたのでしょうね」と、言った。 

思いがけない発見にア然としつつ、島の御嶽・拝所を回る。
始祖・ファガナシーが禊ぎをした西海岸の川泉ヤグルガーへも。
ヤグルガー付近から本島(正面)と島の南部方向(左)を望む。
そして、もう一度アカララキへ行ってみようかなと、思った。
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by utoutou | 2014-02-11 19:06 | 久高島 | Trackback | Comments(0)
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