龍蛇神・アラハバキの祀り方

ブログ投稿を1ヶ月近く休んだ。
前回「アラハバキは祟り神」を書いて以来、高熱と咳に襲われ、
病院で詳しい検査をしてもらったら、なんと「肺炎」。

それも、一昨日の検査で全快と出た。静養中も、
多くの方にご訪問いただき感謝。ありがとうございました。

実は完治間近だった先週、3泊で沖縄に旅をした。
ただし久高島には渡らず、ユルユルと本島から遥拝。
南城市にある琉球最高の御嶽・斎場御嶽の三庫理(さんぐーい)より
旧正月以来のご挨拶。死ぬかと思った1ヶ月を経て、生還の御礼を。
快晴だった3/15(土)「久高島遥拝所」から近くて遠い久高島を望む。
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そして那覇では語り部に会い、問うた。
「私、祟られました?」
間髪入れず、語り部は答えた。
「祟り神を書いたので、それを嫌がる神に当てられたのでは」
「龍蛇神のアラハバキではなく、その対抗勢力が祟った?」
「そうです、龍蛇神を封じて祟り神に仕立てた勢力は、
真実を暴露されることをもっとも恐れるのです」

国つ神 vs. 天つ神? まさか、と思う。
この「神の島」を舞台に、神々の攻防がいまなお続いているとは。

語り部が、生前の神女たちに聞いた「呪詛の仕組み」とはこうだ。
太古の時代から、琉球の神々にも呪詛の災いは降り掛かった。
ターゲットとされたのは、縄文の神アラハバキも例外ではない。
「煎った豆から芽が出たら出ておいで」という諺があるそうで、
節分の煎った大豆には芽が出ないのだから、これは神を完封するための呪詛。

逆に言えば、久高島にもアラハバキを崇める龍蛇族がいた。
古代出雲王朝を築いたという大国主の末裔「富の一族」。
以前「出雲の龍蛇神に会いに行く」にも書いた
クナト大神とアラハバキを祖神とする富族。その痕跡は沖縄にもある。

そのひとつと秘かに伝わるのが、久高島西海岸のティミグスク。
思えば今年の旧正月元旦、私はそのティミグスクを訪れていた。
禊ぎの泉ヤグルガーと後生(ぐしょう、風葬墓)の近くにある。
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石積みで囲われ、生活用水の川泉にも近いティミグスク内には、聖樹クバが生い茂る。
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旧正月のことを思い出していて、ハッとした。
聖泉のヤグルガーには降りたが、お参りの仕方はテキトーだった。
自己流で作法がなっていなかったのも病魔を招いた原因だろうか?
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が、語り部はそういうことではないという。
「むしろ龍蛇神に守護されたので助かったと考えたほうがいい」
確かに長く寝込みはしたが、薬が効くと見る見る快方に向った。

「本土と同じように久高島でも巳祀り(みまつり)がありました」
「それが、ファガナシーとシラタルが興したイザイホーの原型!?」
「そうです」
琉球王府の王権儀礼、その実は呪霊となった龍蛇神を鎮める祭り。
「呪詛の神に貶められた側も、反対に呪詛の神に貶めた側も、
祖神には違いはない。和合の精神で祀るのが琉球の祈りです」
その祀り方こそが、呪詛の神を守護神に変える極意。

旧正月に、久高島のティミグスクから見下ろした海。古来、
この西海岸には7つの川があることから「7つの首の蛇」と呼ばれた。
久高島は、島そのものが、神なる龍蛇として崇められてきたのだった。
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by utoutou | 2014-03-21 12:39 | 久高島 | Trackback | Comments(3)
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Commented by エリコ at 2014-03-23 15:17 x
はじめまして。
3年以上前ですが、私が久高島を訪れカベール岬に立った時、アマミキヨが大きな蛇の姿で現れました。 
その時、アマミキヨは最初に蛇の姿でこの島に降り立ったのではないかと思いました。
最近になってまた久高島が気になり始め、こちらのブログに導きをいただきました。
とても興味深く一気に読ませていただきました。
久高島もイザイホーも、なぜこんなに惹かれる?気になる?のでしょうか。
また行かずにはいられないような気がしてきました。
きっと近いうちに、行くことになると思います。
Commented by ニルヤカナヤ at 2014-03-25 08:28 x

初めてコメントさせていただきます。
先日たまたまこちらのブログにたどり着かせていただき、楽しく拝見させていただいていました。

お仕事が忙しく、ブログ更新されてないのかな?と思っていましたが肺炎にかかられていたとのこと、驚きました。
ご病気は快癒されたようで、良かったです。

沖縄県民ですが知らないことも多く、勉強させていただいています。

神話等関心があり、チョロチョロっと本を捲っては楽しむ程度でしたか、沖縄とアラハバキ神が関係しているとは驚きでした。

これからもお体気をつけられてくださいね。ブログ楽しみにしています。
Commented by utoutou at 2014-03-30 14:11
エリコさん コメントありがとうございます。また行かずにはいられない…同感です。笑 久高島でも同じことをおっしゃる一人旅の女性に何人もお会いしましたよ。で、そういう方とお話するのがまた楽しくて。今年は午年、イザイホーのことがもっと解き明かされていくのかもしれないですね!

ニルヤカナヤさん コメントありがとうございます。もうすっかり治りまして、体力も戻りました。ご心配いただき恐縮です。ウチナンナーンチュの方に読んでいただいているとは嬉しい限りです。アラハバキ神ばかりか、あの神様もこの神様も…。沖縄には日本の古代が沈んでいると、いつも思います。今後ともよろしくお願いします。
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