久高島の夜明け〈完〉消えたニラーの神々

昨日はスーパームーンだったが、リアルタイムで見られなかったので、
1年前に久高島で撮ったスーパームーンの画像を引っ張り出してみた。

2013年6月23日の19時半ごろ。「久高島の夜明け」ではなく、夜のはじめ。
久高島の集落に新築されて間もない教職員住宅の上に、満月が、さりげなく浮かんでいた。
どう見ても普段の2割増に見える大きい月だったが、光のシャワーは優しい印象。
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その数分前まで、↓西海岸の漁港で本島側に沈む夕陽をぼんやりと眺めていた。
西(いり)に沈む太陽と東(あがり)に出る月を、久高島ではこうして同時刻に楽しめる。
周囲8kmの細長い島、西海岸から東海岸までは徒歩10分。500mも離れていないのだ。
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ついでに明けて24日、伊敷浜の朝日。東海岸・ウパーマ浜の先に、やはり太陽は昇ってきた。
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さて今年。先日のウパーマ浜の夜明けは結局、空が一転かき曇り激しいスコールに見舞われた。
宿に戻ろうとして振り向くと、太陽の周りだけ雲が薄くなり明るかったのが不思議。
(青い傘の下には、スコールをモノともせず太陽に向かい瞑想中の女性が…)。
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そんなわけで、夜明けウォッチングの幕切れは突然にやってきた。
こういう時こそ、語り部の見える力が頼り。アドバイスをもらおうと電話した。

「天祖・皇祖・人祖、どちらもナーワンダーグスクに関係があるのですよね?」
 そんな難しい質問は、「神の島」からでもなければ、私は決して発しないが。
 質問には答えず、語り部は言った。

「正しいという字は、どう書きますか? 
 天を横一本で表し、その下に止まるを入れると、正になる。祖先は天下りした、
 という伝えは正しいと思います。霊に止まると書いて“ひと”と読むこともある。
 逆に、不と正で、歪むになりますよね。だから…」
「だから…?」
「歪められた歴史を正すには、過去に倣いて新しきものを開け…だそうです」

これは語り部が代理で受け取ったメッセージだと、私は神妙に受け止めた。

「王が太陽と崇められるようになってから、太陽の神様は琉球から消えましたけど、
太陽の神・東大主(あがりうぷぬし)と、月の神・チチヤ大主(ちちやうぷぬし)が
一対神として謡われているティルルが、久高島には残っていたはずですよ。
ニラーハラーの神々はもう、ほとんどが伝えられていないですけど」
なるほど、ニラーの神々は消えた…。(※ニラーハラー=ニライカナイの久高島方言)

36年前の午年に行われた最後のイザイホーでは、謡われていたはずのティルル(神歌)。
帰京してから、それは「ムトゥティルル」というものらしいと知った。
おそらく古代から伝わるティルル、元家にだけ伝わるティルルという意味だろう。
 
by utoutou | 2014-07-13 18:08 | 久高島 | Trackback | Comments(0)
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