天祖・皇祖・人祖〈5〉北斗七星と四方拝

多忙でバタバタしていて投稿を休んでいたが、あることが夢にまで出てきた。
6月末の沖縄旅でドライブした、伊計島に関連する話である。

沖縄本島東の太平洋上に、久高島から北へ7つの島が連なっている。
津堅島、浮原島、浜比嘉島、平安座島、宮城島、そして、いちばん北が伊計島。         

南北に点々と連なる7つの島は、方言で「ニブトゥイ」と呼ばれる。北斗七星の意味。
「北斗七星=柄杓(ひしゃく)」のカタチになる。↓ こちらは伊計島の入口にある伊計ビーチ。
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本題はここからで、沖縄の工芸品に「クバニブ」というものがある。
蒲葵(クバ)製の柄杓(ニブ)である(写真右下)↓写真は海洋文化研究所さんのFBから拝借。
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さて、かつて久高島に「ニブトゥイ」という名の男性神職がいた。
古祭イザイホーの締めくくりに、神酒桶からクバニブですくった神酒を酒杯に注ぐ役だった。
ニブトゥイはまた、神女たちが禊をするイザイガー(川泉)の管理も担っていた。
つまり、イザイホーの運営に深く関わる、重要な公職だった。

ニブトゥイは代々、久高島の旧家・糸数家より輩出されると決まっていたという。
糸数は屋号を「イチャリ」という。船の碇(いかり)が語源だそうだ。また、
イザイホーの「イザイ」は「漁り」だとも言われる。いずれにしてもイチャリに縁が深い。

イチャリの男たちは海人だった。古くから、北上するイラブー(海蛇)を追って外洋で漁をした。
主な漁場は奄美本島付近。イラブー漁をする久高島の海人(1850年代)を描いた絵が残っている。

海人(ウミンチュ)=天人(アマンチュ)。
「海(あま)は天(あま)である」と、籠神社の海部宮司は言った。
イチャリは古代の海人部(あまべ)の末裔であると考えられる。アマミキヨの語源である。

↓写真はイザイホーの最終日「アリクヤーの綱引き」の後、四方拝をする久高ノロ。
「アリクヤー」も海人の意味。掲げる大扇は、古くは蒲葵製だった。蒲葵は龍蛇に例えられる。
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     (写真は比嘉康雄氏著『神々の古層 主婦が神になる刻 イザイホー』より拝借)

四方拝とは、天皇が年の初めに臨む儀式として知られるが、沖縄で四方拝を行う祭りは、
このイザイホーと天親田(アマウェーダ、年の初午の日に行われる田植え神事)。
現在はミントン家が祭主を務めるが、元々は天祖(アマス)家が執り行ったと考えられる。
稲作の祖は「天祖のアマミツ」たち。明治以降にアマス家は廃絶したと伝わるが…。

神酒、四方拝、龍蛇、北斗七星、海人部。久高島には、日本の古代が確かに眠っている。
by utoutou | 2014-08-13 15:42 | 琉球の神々 | Trackback | Comments(0)
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