9月22日(月)〜23日(祝)、伊勢神宮の別宮・伊雑宮に参拝した。 三重県志摩市磯部町。近鉄志摩線「上之郷」が最寄り駅。 東京から名古屋まで新幹線、JR快速で鳥羽、近鉄に乗り換えて昼に着いた。 目的は主に、御田植祭に立てられる大団扇(うちわ)を見るためだ。 調べると、郷土資料館にそのレプリカが展示されていると分かった。 「太一」と墨書きされた、通称・ゴンバ団扇。 地元では太一が何を意味するのかも、知りたい。 ゴンバ団扇のゴンバとは、軍配のことでは? と、考えた。 琉球舞踊に軍配団扇(ぐんばいうちわ)を手に舞う演目がある。 全体が瓢簞型。上の団扇に日月が、下の扇には北斗七星が描かれている。 その図柄は、上古から、海を縦横無尽に渡った海人族の旗印だった。 戦前生まれだった琉球神女のおばあたちは、そんな話を言い伝えていた。 北斗七星と太一の違いはあれ、「日月星」を掲げて航海した人々は、 沖縄諸島に渡来したアマミキヨと同族ではないか。 ともあれ、伊雑宮に参拝。 正殿に近づくにつれ、境内の光景に目を奪われた。 聖なる森の際。陽に千木と鰹木が輝いている。茅葺き屋根も黄金色に。 清々しくも神々しい、まっさらな新殿が建ち上がっていた。 そうだった、こちらの遷宮は神宮より1年遅れて行われるのだ。 昨年(平成25年)秋、皇大神宮(内宮)と豊受大神宮(外宮)の正宮、 そして内宮の第一別宮・荒祭宮、外宮の第一別宮・多賀宮で、 20年に一度の式年遷宮が斎行されたことは記憶に新しい。 いっぽう出雲大社も60年ぶりで、ダブル式年遷宮と話題になった。 ただし、月読宮など12の別宮については、 遷宮は、今年から来年にかけて行われる。 伊雑宮の主な遷宮スケジュールは…。 11月22日 御白石持(おしらいしもち、新宮の周囲に白石を敷く儀) 11月28日 遷御(せんぎょ、御神体を本殿から新殿へお遷しする儀) 11月29日 大御饌(おおみけ、新宮で初となる神饌をお供えする儀) 遷宮まで2ヶ月。 神の社の森は、夏の名残りの日射しと、秋の虫声が混ざり合う。 奥の新舎が、祓戸と御倉、手前が神饌を調理する忌火屋殿(いみびやでん)。 御祭神は天照坐皇大御神御魂(あまてらしますすめおおみかみのみたま)。 創祀された2千年前から「天照大神の遥宮(とおのみや)」と称せられたと、しおりに。 磯部という地名からして海辺の遥拝所の趣き。「遥拝」とはそもそも南島の信仰形態だ。 伊雑宮の鳥居は東面、正殿は南面しており、鳥居を直進すると右に正殿がある。 ↓写真は翌朝7時前。正門から朝日が射す。 ↓「伊雑宮参詣のしおり」から拝借した伊雑宮全景。 「真ん中のこんもり茂った森が伊雑宮」と。 左手方向の16㎞先に皇大神宮(内宮)、さらに5.5km先に豊受大神宮(外宮)。 三宮がほぼ一直線に並んでいる…。 沖縄・斎場御嶽の三大拝所、そしてナーワンダーグスクの三香炉を思わせた。
by utoutou
| 2014-09-30 07:58
| 伊勢
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from ローカルニュースの旅
at 2014-12-01 21:27
タイトル : ご神体、新たな社殿に 志摩・伊雑宮「遷御の儀」
伊勢神宮内宮の別宮の一つで、志摩市磯部町上之郷の伊雑宮で28日夜、式年遷宮でご神体を新しい社殿に遷す「遷御の儀」が営まれた。... more
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