明日からは冷え込んで雪になるかも、 という天気予報を聞いた朝、思った。 「富士山を拝むなら、きょうだな」 月曜日、2月16日のことだ。たまたま1週間後の 2月23日が「富士山の日」という気分の下地もあった。 富士山本宮浅間大社。 新幹線こだま利用で、都内から日帰りは十分可能。 世界文化遺産となった富士山の「構成遺産」のひとつ。 かねてから、冬場に一度行きたいと思っていた。 1年でいちばん美しい季節に、鳥居越しの富士山を見たい。 新幹線の車中から、また身延線の車中からも美しかったが、 東海道線富士宮駅から歩いて着いたこの場所が、最高の眺め。 全国に1300あると浅間神社の総本宮である。 御由緒は公式HPに詳しいが、祭神は 木花之佐久夜毘売命(このはなのさくやひめのみこと) (別称:浅間大神(あさまのおおかみ)) 相殿神は瓊々杵尊(ににぎのみこと) 大山祇神(おおやまづみのかみ) 栞によると〜第七代、孝霊天皇の御代に富士山が噴火し、 鳴動常なく人民畏れて逃散し年久しく国中が荒れ果てた ので、第十一代垂仁天皇は其の三年に浅間大神を山足の 地に祭り、山霊を鎮められた〜 第一鳥居から入り、参道をまっすぐ楼門へと進む。 そこもかしこも桜の木。500本あるという。 富士の背景と相まって、爛漫な景色となる春は近い。 木花咲耶姫は、日本書記に謳われた「桜の精」。 木とは桜、その意味で神名がついたとも言われる。 また木花咲耶姫は「水の神、川の神」でもある。 それゆえ御由緒書にあるように浅間大神として、 富士山の神霊を鎮めるべく祀られた。 が、富士山を見やり、参道を進みつつ、 「持統天皇」の名がしきりと思われた。 持統天皇(690〜697年)は、その在位中、 吉野に31回も花見のために行幸したという。それは 686年に没した天武天皇の鎮魂のためと言われており、 それはそれで至極納得のいく物語なのだが…。 天武の死の直前には、数々の天変地異が起こった。 それが、古来の神々を封印して、 皇祖神・天照大御神に統一した「祭祀革命」の祟り だと、持統は恐れていたのではないか。 というのは昨年、伊雑宮に行ってから 胸にモヤモヤと渦巻いていた思いだったが、 ここ浅間大社で桜の木立を見て蘇った。 天変地異が祟りなら、 その最たるものは富士山噴火だったに違いない。 鳥居、そしてこの楼門にも日の丸。 右手に雪を冠した富士山が見えた。 楼門を通り、拝殿へと進もうとして 賽銭箱の神紋に目が止まった。 驚くかな、それは棕櫚紋。 古来、沖縄の蒲葵と同等の聖樹とされた。 この本宮は、代々和邇氏の末裔が大宮司を 務めたというが、この地で、 南方由来の棕櫚紋に出会うとは…。
by utoutou
| 2015-02-20 19:24
| 神社
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