ヤマトタケル ⑤ 瀬織津姫の川〜秩父神社



三峯神社を出て、カーブ続きの道を下る
車窓から、長瀞へと至る荒川の絶景を見た。
抹茶水羊羹のように艶やかな水面が美しい。
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この日バスが辿ったコースは、三峯神社→
秩父神社→長瀞の宝登山(ほどさん)神社。
国道140号線沿いに点在する三社を巡る旅は、
荒川という、龍神が棲んだ神脈を辿る旅でもある。

それは同時に、東国征討という名目の旅で、
この地に立ち寄った、ヤマトタケルの足跡。

しかし、むしろ
私が知りたいのは、後々この地に来て、
ヤマトタケルを神として祀った人々のことだ。

ヤマトタケルが神話的な存在にすぎないとしても、
その伝承は川の流れのように途切れることがない。

ヤマトタケルに征服された民の後裔なら、
ヤマトタケル像を、決して建てたりはしないだろう。
では、いったい誰がヤマトタケルをこの地で崇めたのか。
…と思い、手元の「三峯神社・案内絵図」を広げた。

そこで見つけた名は、役小角(えんのおづぬ)。
〜(三峯神社は)平安時代に、修験道の開祖役小角
が修行し、山伏の事業道場になりました〜と解説に。
天武天皇の時代の陰陽師である。

役小角の痕跡は、二社目の秩父神社にもあった。
武甲山信仰とも所縁が深いという秩父の総社。

秩父市の中央にある柞(ははそ)の森に鎮座。
創建2000年の古社。ご祭神は八意思兼命、
知知夫彦命、そして天之御中主命。



権現造りの本拝殿は、徳川家康が再建したという。
その色鮮やかな彫刻や徳川家の「葵の御紋」、
左甚五郎作「つなぎの龍」や社宝の神輿を、
HPにて予習したままに、堪能した。
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そんななか、秩父神社に天之御中主命を
祀ったのも、役小角だったのかもと思った。

秩父神社の例大祭である「秩父夜祭」(12月)は、
天之御中主命(妙見様)にちなむ祭りというが、
役小角こそは、妙見信仰を唱えた行者だった。

ところで、
秩父夜祭りには、もっと古層の祭神も登場する。
神幸行列では先頭に「藁づくりの龍神」が往く。

その龍神とは、「御田植祭」で招いた水の神。
春に武甲山の伏流水でできた今宮神社
の龍神池からやって来た神様が、
冬の「夜祭」で武甲山に帰っていくのである。

その水の神は、龍神池・武甲山に、
妙見様からはるかに先立って鎮座していた。


秩父神社の境内にある「柞(ははそ)の禊川」。
今では、おみくじを流す川として女性に人気。
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禊川のすぐ脇に、禍津日神が祀られている。
まがつひのかみ…瀬織津姫のことである。
天照大御神が誕生した天武・持統の時代、
禊ぎの女神に降格させられた「縄文の女神」。
役小角は、天武のブレーン的存在の陰陽師、
瀬織津姫を封印し、弔うために秩父に来たのか。
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瀬織津姫は、養蚕の女神でもある。
こちら秩父神社の繭みくじ、水みくじ(青色)。
青のほうを禊川に流すと、幸せになれるという。
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by utoutou | 2015-05-14 03:16 | ヤマトタケル | Trackback | Comments(0)
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