ヤマトタケル ⑲ 神剣の祟り 〜 熱田神宮

かれこれ何回目になるのか。
もはや数えきれないほど熱田神宮について
書いた気がするのに、未だに日々疑問が湧き、
モヤモヤした感じが拭えない。


そんなわけで、画像も使い果たしたので、
前回参拝した('12年秋)ときのものを。
社務所で求め、しばらく携帯した折畳式の熱田神宮。
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さて、きょうのモヤモヤは
熱田神宮HP「熱田神宮の歴史」。
次の部分が気になって仕方がない。
ことに、↓ 神剣が遷座などの下から2行。


113年 景行天皇43年 日本武尊、
伊勢の国・能褒野(のぼの)にて薨去(こうきょ)
草薙神剣を熱田の地に祀る
195年 仲哀天皇4年 氷上姉子神社創祀
686年 朱鳥元年 草薙神剣が神宮還座
708年 和銅元年 八剣宮創祀


ちなみに、新羅の僧が草薙の剣を盗んで
逃亡したのは668年というが、
船が難破して失敗。その後は宮中で祀られた。

そして、歴史年表にある686年、
天武天皇が病に倒れる。
原因は「神剣の祟り」であるとの託宣で
剣は熱田神宮に返却されたという。
ところが、同年、天武天皇は薨去された…。

「神剣の事件簿」はひどく謎めいていくが、
『熱田大神鎮座記』(宮庁編『熱田神宮』)
は、次のように記している。


〜朱鳥元年(686)六月に
「天武天皇の勅命」によって草薙剣が返却され、
「このとき改めて大宮や別宮諸神社を
造営して、十二月に新宮に遷宮の儀を行った。〜


熱田神宮に返却された神剣。
けれども、その神剣を祀った「別宮」が
どこであるかは、史料に記録がない。
そして、708年9月9日、
元明天皇が「八剣宮創祀」との勅命を発する。
その日は天武天皇の命日で、結局、天武薨去の年に
造営された「別宮」はミッシングリングとなった。



御神体なのだから草薙の剣を祀るべきは本宮?
天武天皇に「祟った」ので、神剣を祀るお宮は曖昧模糊に。
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明治の本宮改造の際、草薙の剣を祀った土用殿。
こちら今回の撮影。佇まいは2年半前と変わらない。
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こうした神剣にまつわる事件を振り返ると、
天武・持統の時代以降に伊雑宮で起きた、
伊勢神宮の祭祀変更に伴う数々の事件が思い出されるが、
くだんの神剣が祀られた「ミッシングリング」について、
菊池展明氏はその著書『円空と瀬織津姫』
('08年、風琳堂)で、鋭い指摘をしている。


〜天武時代に造営された
「別宮」とは何かとなるが、
大きな可能性のひとつとしては、
(伊勢)の第一別宮・荒祭宮に準じて
同神(天照大神荒魂)を祀る一之御前神社
の元宮の創祀ということが想定されようか。
なぜなら、本来の地主神が新たに祀られた神に
主座を譲って「別宮」扱いとなる事例は、
内宮を先駆としていたし、そこに
関与する最初の天皇こそ天武であったからだ。
同じことが熱田神宮においても
実現しようとしていたのかもしれない。〜


はたして、
一之御前神社は天武による創祀だったのか?
そして、熱田神宮の創建1900年(2013年)記念
として、遂に禁足が解禁されたのはなぜか?

ということで、草薙の剣をめぐる
モヤモヤはしばらく晴れそうにない…。


by utoutou | 2015-06-23 08:44 | ヤマトタケル | Trackback | Comments(2)
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Commented by 金沢の素人 at 2015-06-23 15:59 x
utoutou様(でよかったのかな)こんにちは。
熱田神宮の一之御前神社と瀬織津姫、なんだか吸い込まれる様に面白いです。
私の近所(金沢)に瀬織津姫神社(そのまんま)の宮が有りましてビックリしました。
主祭紳が大禍津日神だとか!これまた不思議ですね~。
http://www.ishikawa-jinjacho.or.jp/search/detail.php?e7a59ee7a4be4944=888

石川県神社庁hp

見つけてすぐに行ってきたのですが、何でこんな場所に?と言う感じでしたね。
明日は仕事で熱田まで出張です。もちろん熱田神宮まで足をのばすつもりです。

落書きみたいなコメですみません。

Commented by utoutou at 2015-06-24 08:27
おはようございます。
もう熱田神宮へは参られましたか? 私も出張帰りに途中下車しての駆け足参拝だったので、本宮の左手にある下知我麻(しもちかま)神社まで足を伸ばせなかったのが残念でした。

一之御前神社もそうですが、熱田神宮の秘密めいた空気感は、伊勢神宮や伊雑宮よりも濃いと感じています。近ければ、通い詰めたいですね〜。笑

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