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神武の来た道 ⑫ 玉置神社末社 玉石社

玉石社
(奈良県十津川村玉置川1番地)

玉置神社末社。玉置山の山頂付近に鎮座。
祭神は、大巳貴命(おおなむじのかみ)
ご神体は「玉石」(玉置神社の記事はこちら)。


鳥居傍らの石碑には、次の説明があった。
〜平安の昔、吉野より熊野に至る修験道を
開いた山岳修行の祖、役行者が後世の為に
財宝を埋納し祈念したと伝えられている。〜
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由緒に見える役行者(634〜701年)
の事績は、神武の奉献神事とよく似ている。

『玉置山縁起』によれば、神武は東征の折り、
熊野の浜辺に上陸してから、八咫烏の案内で大和
に地を目指す道中、玉置山で安全を祈願して、
十種の神宝を奉じたという。(境内の案内板より)



玉石社は神武も参った玉置山の地主神。
その位置は、社務所前に立つ地図によれば
右手(北東)、山頂への道沿いにある。

その位置が、あまりにさりげない気が
していたが…最近ハタと気がついた。実は
本殿の奥(北)にも大巳貴命は祀られている。
地図には載っていないが、白山社の左に。
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それが ↓「山之神」という磐座。
石碑に「大山祇の神」と刻字されている。
大巳貴神と同じ大国主の異名である。
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山道を少し戻り、白山社を横から撮った。
どうやら、山之神、白山社はともに、
この巨大な磐座を一対神として崇めている。
神武の来た道 ⑫ 玉置神社末社 玉石社_a0300530_16484500.jpg



この巨大な磐座とは超古代の枕状溶岩だった。
道筋に以下の看板が立っていた。
神武の来た道 ⑫ 玉置神社末社 玉石社_a0300530_16573141.jpg

〜県指定 天然記念物
玉置山の枕状溶岩堆積地
平成九年三月二一日〜
玉置山頂上付近にある枕状溶岩は、海底火山の
噴火により噴出した玄武岩質の溶岩が水中に
流れ出し、冷えて固まったものである。産出
地帯は不規則な楕円体状または曲がった丸木状
をなした岩石が積み重なったもので、一つ一つ
の内部構造は中心から放射状に割れ目がある。
岩石の形状が枕に似ていることから、
枕状溶岩と呼ばれている。(後略)〜

調べると、磐座が「山頂付近の枕状溶岩」
の西端にあたるということが分かった。
また、枕状溶岩が吹き出た海底火山とは、
白亜紀(1億4500万年前〜6600万年前)
に南方の海洋底に噴出し、
海洋プレートの移動によってアジア大陸縁
に不加したものであるという。

この枕状溶岩、露頭が
チューブの断面が積み重なったように、
あるいは玉を重ねて置いたように
  見えるというのが、「玉置山」の名の謂れ。 
 
恐竜時代…。南方の海洋火山…。
古代人が神として崇めたマグマの巨岩…。
その霊威や価値を、神武が来たときに
既にいた先住民は知っていたのか。
そして、大巳貴命を崇めた民とは?






by utoutou | 2016-01-25 21:55 | 神社 | Trackback | Comments(0)
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