九頭龍大神 ④ 鎌卍の社紋は語る

戸隠神社五社には、「天の岩戸」神話に
登場する神々が祀られているが、
真ん中に祀られるはずの天照大神は、不在だ。

いっぽう、地主神の九頭龍大神は祀られている。
広大な戸隠山神域の奥の奥、磐座の奥深く。

このことは、戸隠神社が、「天の岩戸」神話
ができる以前、つまり記紀成立以前からの
聖域だったことを表していると、思うのだ。
つまり、天照大神を除いた神々は実在した。


そのことは、社紋である
鎌卍(かままんじ)の意味を紐解くと分かる。
天手力雄を祀る戸隠神社・奥社。
拝殿に社紋が見える(撮影は昨年9月)。
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鎌卍については、以前、諏訪大社でも書いた。
戸隠神社では、「水の神・戸隠大神」の象徴。
つまり、地主神である龍蛇神を表している。
そこに天照大神を祀らない意地を見る思いがする。
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さて、戸隠神社には元宮があるという。
阿智神社(あちじんじゃ、長野県下伊那郡阿智村)
である。↓戸隠神社・中社に祀られている
天八意思兼命(あめのやごころおもいかねのみこと)
を祭神とする。
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また、阿智神社は、↓戸隠神社・宝光社に
祀られる天表春命(あめのうわはるのみこと)
も祭神としている。
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天八意思兼命・天表春命を祀る阿智神社へは
参ったことがないので、画像は↓
地元の昼神温泉観光局HPから拝借した。
ちなみに、「昼神」とは「蒜噛」の当て字とか。
『日本書記』景行天皇の条で、ヤマトタケルが
信濃の山中で白鹿姿となった神に蒜を投げ
つけた事績が語源だという。
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この阿智神社、創建年代は不詳だが、社伝に
よれば、第8代・孝元天皇のとき、天八意思兼命が、
子神・天表春命を従えて天降り鎮座した。

やがて、天八意思兼命は戸隠神社の中社に、
天表春命は宝光社に分祀されたとの説が、別途ある。

江戸時代に編纂の『信濃地名考』によれば、
天八意思兼命の子神である天手力雄命も、
吾道宮に鎮座した後に、戸隠神社の
奥社に鎮座したと記されている。


阿智神社は、吾道宮(あちのみや)と呼ばれた。
そうか…と、思い出した。阿智=吾道であった。

吾道とは、吾道家のことで、
『先代旧事大成経・序』で語られた、古代六家
(吾道・物部・忌部・卜部・出雲・三輪)の筆頭。

六家については、以前、伊雑宮シリーズの
「物部氏と七匹の鮫」に書いたことがあった。

伊雑宮の港に来た「七匹の鮫」とは、
「古代六家+天皇家のことだ」と、語り部は言った。
もちろん、古代琉球と密接な関係があると。

「七匹の鮫」こそ、この国に先着しながらも、
時代を経て、やがて疎まれ、「九頭龍」
と呼ばれるようになったのかもしれない。










by utoutou | 2016-03-26 15:22 | 九頭龍 | Trackback | Comments(2)
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Commented by at 2016-03-26 19:33 x
utoutoさん、こんにちは!戸隠神社〜(>∀<●)ノいつも行こうかな、どうしようかな〜と考えてるところについて、いつも絶好のタイミングでutoutoさんがブログ書いてくださるので、これは行かねばといつも決心がつきます(笑)戸隠神社は今月の3連休で一度考えたのですが、ネットで見てみるとお寺的な部分も多々ありそうで、そんなに古くないのかと思い違いをして、長野県茅野市に国宝土偶の縄文のビーナスと仮面の女神を見に行きました!とっても良かったでよ〜.+゚d(´∀`*) 長野県は縄文の香りがぷんぷんしますねー!ゴールデンウィークは戸隠神社を目指したいと思います。ブログの更新楽しみにしていますε=ε=(ノ≧∇≦)ノ
Commented by utoutou at 2016-03-29 12:59
> 寅さん
こんにちは。戸隠、私も9月に行ったきりブログにもUPせずにいましたが、ようやく今回書けました。で、弁財天の拝観に行きたいと問い合わせたところ、団体さん予約がいっぱいで無理だったのですが、いまの時期、雪の戸隠もいいでしょうね。
戸隠は三峯と似た雰囲気で、修験の霊地らしく参道から見てもあちこちに叢祠があるようでしたよ。修験僧たちは神仏習合を隠れ蓑にして日本古来の神々を守った…と考えると、どちらも古い土地なわけですよね。
長野は本当に縄文の香りがぷんぷんしますね。以前、野尻湖の近くの「古代倭姫が密かに祀られている」と噂の小さな神社を訪ね当てたことがありました。社名を失念しましたが、忍海という集落だったので、やはり古代海人族が行き着いた土地かなと思いました。
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