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六甲山と瀬織津姫 66 「2万6千年前」の北極星

六甲山に点在する磐座の中でも有名な三国岩。
(神戸市による六甲山磐座MAPはこちら
観光名所らしく↓磐座名の表示も立っている。

近くの案内板には、名前の由来も示されていた。
〜この三国岩は六甲山の分水嶺であり、かつては
武庫、菟原、有馬三郡の境界点でもありました。
神戸市森林整備事務所 〜


が、一説には、2万6千年前に造られた磐座という。
縦6m横5mほどの大きさ。巨大とは言えないが、
まるでビツグマッグのように人工的に積み重ねられた
 岩には、古代人の星信仰が如実に刻まれているのだと。


縁あって案内してくれた山男サンは言った。
「いちばん上に見える穴は北極星と言われています」
南面する磐座の最上層、中央右にポッカリ穴が見える。
磐座には、瀬戸内海から隆起した岩を使用したそうで、
全体に小穴が無数にあるが、その穴は際立って大きい。
六甲山と瀬織津姫 66 「2万6千年前」の北極星_a0300530_13353061.jpg



画像を拡大すると、このような形状の穴だった。
周りが三角形型の線刻で取り囲まれたおり、
あたかも、北極星はこの方向と示しているようだ。
六甲山と瀬織津姫 66 「2万6千年前」の北極星_a0300530_15510253.jpg




その穴が、なぜ「2万6千年前の北極星」なのか?
ヒントは、磐座上に刻まれた↓「天体図」にあった。
岩上で「不思議な穴だな」と思い撮った1枚の画像。
なんとこれが、星座の子熊座を表しているという。
確かに、北斗七星に似た子熊座を伏せたような形だ。
六甲山と瀬織津姫 66 「2万6千年前」の北極星_a0300530_14391707.jpg



小熊座の尾の先(写真右上)に磐座正面の北極星が‥。
逆に正面から北極星を見ると「小熊座」を指している。
そう発見したのは、NPO古代遺跡研究所を主宰した
故・中島和子(よりこ)氏。三国岩に登った翌朝に、
ネットでその指摘に出会い、私は度肝を抜かれた。
(※論文『六甲山・三国岩の磐座』はこちら


論文には、こう記されている。(要約)
歳差運動により北極星となる星は一定ではない。
☆歳差円の周期は、2万6千年。
☆現在の北極星は、子熊座のα星(※ポラリス)。
☆その対極には、琴座のベガがあるので、
今から1万3千年後にはベガが北極星になり、さらに
その3千年後には白鳥座のデネブが北極星となる。
☆縄文古代人は、どの星が北極星かを知っていて、
磐座を造った時期や年代を示した。つまり‥
☆三国岩は「一周期前=2万6千年前」の磐座である。

ただし、中島氏はこの三国岩周辺を、
北極星信仰に加えて太陽崇拝の磐座と見ていた。


実は、三国岩から西北へ、
数百mほど分け入った私有地に謎の磐座がある。
東を向いており、その前に祭祀場があることから、
中島氏はこれを「アマテラス」の磐座に見立てた。
磐座の右端には彫り物があり、朝陽に現れるという。
六甲山と瀬織津姫 66 「2万6千年前」の北極星_a0300530_15143803.jpg



左右や裏に回ると明らかに組み石の部分もあり、
シロート目にも人工の磐座だと分かったが、
横から見た不思議だったのは、一番目と二番目の岩
の間に↓ 20㎝ほどの幅の空間があることだった。
くっつけてもよさそうなものを、なぜ微妙に空けたのか。
六甲山と瀬織津姫 66 「2万6千年前」の北極星_a0300530_17090898.jpg


帰宅してから画像をしげしげと見つめた。あのとき
何げなく置いた方向磁石(百均物で正確ではないが)
の先は北を示している。※↓赤線加工は筆者による。
さらに、両岩間の中央線と思しき赤線を引いて見た。
我ながら、ひえーっと奇声が出た。その内角を
分度器で測ると23.4度。地軸の傾きと同じであった。
※この点は中島氏のではなく、筆者の個人的意見です。
六甲山と瀬織津姫 66 「2万6千年前」の北極星_a0300530_15340189.jpg


別荘とレストラン跡、そして古代の祭祀場跡。
別荘が建つ前は累々と岩が立ち並んでいたという。
六甲山と瀬織津姫 66 「2万6千年前」の北極星_a0300530_17083689.jpg


地軸の傾きも知っていたかもしれない縄文古代人は、
六甲山に、北極星と太陽を神と崇めた痕跡を残した。
ふと、丹後籠神社の奥社・真名井神社の核を成す
あの古代祭祀場を思い出した。
海部の社には、天御中主神と天照大神が並んでいる。





by utoutou | 2016-11-12 20:56 | 瀬織津姫 | Trackback | Comments(0)
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