六甲山と瀬織津姫 85 宗像「一女神」

宗像大社の参道は沖ノ島へと繋がっている。
そう気づいたのは、境内最奥(南西)に位置する
古代祭祀場・高宮祭場からの帰り道のことだった。


鬱蒼たる森のなか、風が通り光溢れる一角があった。
祈る人が木陰にいて、遥拝所だと分かった。それは、
中津宮(大島)と沖津宮(沖ノ島)の方向へと開いていた。
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位置関係を宗像大社HPの「境内MAP」で見る。
MAPの下が北西方向。本殿・第二宮・第三宮も、
北西(沖ノ島)方向を向いている。遥拝所らしき
ポイントは、MAP右上の高宮祭場の下にあった。
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境内MAPを逆さにして見ると、よりリアルに分かる。
上が北西(冲ノ島)方向。遥拝所はMAP左下の小道沿いに。
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↓ 俯瞰MAP(境内の案内板から拝借)で見ると、
宗像大社(辺津宮)→大島(中津宮)→沖ノ島
(沖津宮)と玄界灘を貫く遥拝ラインが確認できる。
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さて、本土側の神湊からフェリーで大島港へ渡り、
南の海岸沿いを5分歩くと、宗像三女神の次女こと
  湍津姫神(たぎつひめのかみ)を祀る中津宮に着く。 
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14時20分。
中津宮の鳥居に立つと、春光が左から注いでいた。
私はこのときすでに、大島の北西に位置する
岩瀬海岸にある沖津宮遥拝所を向いていたはずだ。
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沖津宮遥拝所。
拝殿から50㎞先の沖ノ島(沖津宮)を遥拝できる。
女人禁制の至聖地を拝する、女性のための遥拝所。
こちらで私たちは、沖津宮の祭神・田心姫神
(たごりひめのかみ)に拝礼していることになる。
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肉眼で沖ノ島は見えなかったが、
この玄界灘の絶壁に立ち、私は思った。
宗像三女神は『日本書記』で生まれた、いわゆる
アマテラスとスサノオによる「誓約の神」というが、
宗像三女神とは、実は「一女神」なのではないか?

そして、さらに思った。だとすれば、
本当の比売大神は、宗像大社に隠れている。
でなければ、沖ノ島(沖津宮)に背を向けて、
 本殿を拝するような祭祀空間は作らないだろう。

そもそも、
記紀に見る三女神の位置づけは一定してしない。
長女はタゴリ姫、次女はタギツ姫、末女はイチキシマ姫
というのが宗像側の神名だが、
『古事記』では、次女と末女が逆になっていたり、
『日本書紀』でも、長女をイチキシマ姫、
次女をタゴリ姫とする一書もあるなど、諸説紛々。

では、
比売大神が「一女神」ならば、どんな女神なのか?
頭を悩ますこと一夜、宗像大社・本殿の奥に
おびただしい数の末社群があったのを思い出した。
調べると、その中央に鎮座する末社は、浪折神社。

公式サイトはなく、「古墳巡りウォーキング」様
 のサイトで「縁記」の画像を見ると、こうあった。

〜 祭神は、瀬織津姫大神、住吉大神、志賀大神 〜

比売大神とは、瀬織津姫大神のことだったのか。
内宮の奥の荒祭宮に瀬織津姫を祀る伊勢神宮を思う。
宗像大社は、伊勢と同じ祭祀構造で作られている?













by utoutou | 2017-02-07 11:42 | 瀬織津姫 | Trackback | Comments(0)
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