アカル姫。 『古事記』応神天皇記には、「天之日矛の妻」「新羅から来て 難波の比売小許社に坐す阿加流比命」と、記されている。 『日本書紀』垂仁天皇記には、「都我阿羅斯等 (つぬがあらしと)が追った童女」「難波の比売語許社、 そして豊国・国前郡の比売語曽神社の神になった」と 記されていることから、この童女もアカル姫と見られるが、 記紀どちらにしても、古伝としての記述である。 そのアカル姫について、語り部は言った。 「久高島のアカララキに祀られる女神と、神像が一致する」と。 また、アカル姫は「琉球の玉を持っている女神」であるとも。 それは如意宝珠や「三種の神器」の勾玉にも匹敵する神宝。 太陽の化身として、至高の霊力を発する玉であったらしい。 久高島の西海岸に位置するアカララキの御嶽(写真左) 島西南のユーラヌマ浜に位置する(↓ 6月27日に撮影) アカララキ(=アカル姫)は転生再生を司る女神。 イザイホーの際には祭場に移動して、島の女性たちが 神女として生まれ変わるのを見守ったと考えられる。 アカララキに祀られる女神の名は、伏せられてきた。 その理由が渡来の女神だったからなのだとすれば、 イザイホーが長く秘祭とされ続けた理由もそこにある。 天皇の践祚大嘗祭の原型とも言われるイザイホー。 その祭場に祀られたアカララキが渡来の女神では、 都合が悪かったということだろうか。 しかし、アカル姫は決して渡来の女神ではない。 崇めたのは、ユーラシア大陸を治めたと考えられる 古代王朝・東大東族(しうから)民。倭人と呼ばれた人々は、 琉球・日本・大陸の間を、潮流に乗って行き来した海人族だ。 琉球には歴史がないと言われて久しいが、そうした古伝 は、琉球王朝時代まで密かに継承されてきたらしい。 アカララキは「君の泊(ちみんとぅまい)」と呼ばれた港に位置。 「君」とは聞得大君の意味で、その船はここに着岸したという。 降り立ったその足で、いの一番に参詣したのがアカララキだ。 ↓ 斎場御嶽と海峡を挟んで向き合う「東方の御嶽」でもある。 そして、「赤玉」がアカル姫が持つ神宝だったなら、 これまで腑に落ちなかった神歌(ティルル)の謎も解ける。
by utoutou
| 2017-07-05 11:52
| 瀬織津姫
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Comments(3)
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at 2017-09-10 12:48
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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utoutou at 2017-09-12 09:37
> イナルさん
こんにちは。赤い玉について書かれたブログを拝見しました。確かに赤い琥珀のように見えますね。実は、聖徳太子、島津家、ロックフェラー…? と読みまして、ええっ? と、何かを思い出した気がして昨日からモヤモヤしています。笑 そのお話、かつて何かの本で読んだという記憶は甦ったのですが、それが何だったか…。思い出しましたら、また。 アカル姫など、大陸(半島)からの渡来系らしい姫も、当然のこと後の瀬織津姫ですね。いっぽう、稲田姫や、因幡の八上姫など、おそらく先住系の姫たちも瀬織津姫だと思っています。そして、大陸・半島・列島に広がっていた「倭」の姫たち…後に弁財天にも姿を変えた姫たちは、みな珠(厳御魂)を持っていた。そうすると、アカル姫がどんな御魂(珠)を持っていたかが問題で、いわゆる「琥珀の道」をもっと知りたくなりますね。ご訪問ありがとうございました。
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at 2017-09-14 10:39
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by utoutou カテゴリ
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