六甲山と瀬織津姫 95 海神のレガリア

志賀海神社の拝殿前には御潮井(おしおい)という
 清め砂が備えられていて、「さすが龍の都」と思う。

イザナギが禊をして神々を生んだという聖なる海
を住処とする海神(綿津見神)に礼拝するためには、
身に沁みこんだ俗世の穢れを祓わなくてはならない。



御潮井の横には、清めの作法も記されていた。
〜御砂を体の左・右・左と振り清め、二拝、二拍手、
一礼にてご拝礼ください〜
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志賀海神社へ来てから3度目の禊になる。まず
通りから鳥居へと上がる石段の下で清め砂による禊を。
楼門から入ったところで、手水舎で水で手と口を清めを。
そして、こちらに着いてから、神前の禊を行なった。
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御潮井は持ち帰りもOKと、楼門の横に書いてあった。
地元ではそれをテポ(籠)に入れて家々の戸口に備え、
外出の際に体に振り清めて災難除けとする風習がある
 そうだ。田畑の虫除けや、敷地の清浄を保つにも用いる。

筑前一帯では、神社に
最寄りの海岸の真砂を「御潮井」と尊ぶのだそうだ。

真砂土(まさど)は各地の土砂災害ニュースで耳にする
が、真砂土や真砂は、花崗岩が風化してできたものだ。
ここ志賀島の地質が花崗岩であるならば、
 境内のあちらこちらで花崗岩に出会ったのも当然か。




参道の脇に立つ、福岡県県有形文化財の
石造宝筐印塔(いしぞうほうきょういんとう)は、
仏典を納めた石塔。貞和3(1347)年の建立。
「花崗岩を用い、高さ334.5m」と、説明板にあった。
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そして、遥拝所の亀石も花崗岩で造られている。
神宮皇后が三韓出兵に際して、無事の帰還を祈願して
神楽を奏でると、黄金雌雄の亀に乗った志賀明神と
勝馬明神が現れて干珠・満珠を授け航路を守ったという。
一対の亀石は金色ではなかったが、本殿を向いていた。
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思い出しつつ、ある素朴な疑問が湧いてくる。
神功伝説に現れる一対の亀は、なぜ「黄金」なのか。


志賀島の真砂は、磁石にくっつくのだと聞いた。
真砂は磁鉄鉱が含まれる産鉄の材料だが、
砂金のことでもある。その砂金から、古代の民は
黄金を採取した副産物として鉄を得たのだという。

つまり「黄金の亀」には、安曇族に
関するメタファーが込められているのではないか。

安曇族が大陸から渡来した産鉄民であったこと、
もしかすると安曇族は、砂金から黄金を採取したか、
高度な錬金技術を持っていたかもしれないこと。

それゆえ、漢の首都まで航海できる航海術と、
倭国代表として金印を授かる経済力を有していたこと。

それゆえ、神は「黄金の亀」に乗って出現した?
 真砂が、だんだんと海神のレガリアに思えてきた。





by utoutou | 2017-03-18 12:03 | 瀬織津姫 | Trackback | Comments(0)
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