「八上姫というのは、誰の娘ですか?」 鳥取で神社巡りをした日、語り部が電話で聞いた。 八上姫を祀る売沼(めぬま)神社(鳥取市河原町) にも参拝することは、あらかじめ伝えていた。 誰の娘と聞かれても…と返答に困ったが、言った。 「それは謎のままらしいですよ。豪族の娘に違いないと 思いますけど。もしや八上姫のお父さんは因幡の白兎?」 なかば口から出まかせだったが、考えられなくはない。 神話『因幡の素兎(しろうさぎ)』で、大国主命と八上姫 の結婚を予言したのは、大国主命に助けられた因幡の白兎。 「あなたは八上姫と結婚することになるだろう」という 予言通り、大国主命は八十姫を娶ったのだから、 白兎は予言者か、八上姫の父神か、どちらかの化身だ。 そして前回の「猿田彦の導き」で、因幡の数ヶ所に 祀られる白兎大明神とは猿田彦命のことだろうと書いた。 いま、語り部は言う。 「白兎に隠れている神は、猿田彦だと思っていました。 沖縄ミントングスクの神面に残るアマミキヨ、そして、 伊勢神宮でも秘祭される興玉神と神像が重なっている」 八上姫命を祀る売沼神社 (めぬまじんじゃ、鳥取市河原町曳田) 日本海から遡った千代川の支流・曳田川の北岸に鎮座。 「売沼」は本来は「比売沼」で「比」が脱字したものという。 創祀年代は不詳。小高い丘になった境内のすぐ下を 曳田川がなだらかに蛇行する様子は、古代を思わせて優美。 川とほぼ平行して建つ売沼神社・本殿は、東面している。 伊勢の興玉神こと猿田彦とは、東から昇り来る太陽神だった。 境内にあった由緒書によれば…(以下要約)。 賣沼神社 祭神 八上姫命 ☆延喜式神名帳にある式内社である。 ☆中世は「西日天王」と呼んだが、元禄より現在の社名。 ☆「古事記」の伝えでは、八上姫は白兎の仲介で、 その難を救った大国主神と結婚した。 ☆この神話伝説は、漂着した外地の舟人たちが先代川 を遡り、まずこの曳田郷を拓いたことを物語る。 ☆対岸山麓の前方後円墳を神跡としている。 曳田川の対岸・梁瀬山(283m)に嶽古墳(だけこふん) がある。全長50m、直径は後円部25.8m、前方部24.2m。 5世紀後半から6世紀前半の造営。八上姫の墓と言われるが、 造営年代から一族の末裔の墓とも。ただし石室などは未調査。 売沼神社、嶽古墳と一帯となった八上姫公園には、 大国主命との恋物語を刻んだ一連の石碑があり、 公園内を歩きながら楽しめるようになっている。 曰く、八上姫は「日本で一番最初の恋物語のヒロイン」
by utoutou
| 2017-05-13 13:05
| 瀬織津姫
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