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白保人骨に会いに行く

「六甲山と瀬織津姫」篇は閑話休題。
沖縄に来たので、「ニュースな人骨」を見学してきた。
先週の19日に調査結果が発表されたばかりの
石垣島 白保竿根田原洞穴遺跡(しらほさおねたばる)
から出た旧石器人の人骨は、20体(約10歳〜約40歳)。
世界最大規模の墓地と発表されたことが、興味深い。

というわけで、4体の人骨が「緊急公開」されている
県立埋蔵文化センター(中頭郡西原町)へ。
会場ではプリント配布や、調査の詳細な掲示もあって分かりやすく、
私などは、旧石器人の死生観に触れた思いがして感動した。



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↑↓ポスターのモデルにもなったこちらの白保4号人骨は、
岩陰から一体分の全身の骨がまとまって発見されたという。
高齢の男性で、推定身長は165.2㎝。
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埋葬ではなく、岩陰に風葬されたかたちで発見された
そうだが、この人は死後、子宮に戻されたということか…。
再生転生を願うかのような葬い方に、古代の看取りの愛を見た。
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こちら、白保1号人骨。頭骨のみ。
20歳代前半の男性。推定身長は158.6cm。
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白保3号人骨も、20歳代前半の男性。
データ不足のため、推定身長は不明とか。
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白保2号人骨も、成人男性。
推定身長は164.9cm。
サーファーなどによく見られる外耳道骨腫が両側に
見られると解説されていたが、日常的に潜っていたのか?
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公開された白保人骨は、
1号と3号が20歳前半の若者、2号と4号が高齢者。
その違いはというと、上顎の磨耗ぶりだそうだ。
高齢者の彼らは、食べる以外の何に顎を使っていたのか?
時代が違うのに、同じように下顎の磨耗していたのも不思議だ。

2号が生きていた時代は、22473〜22314年前。
4号が生きていた時代は、27685〜27519年前。
5千年も時代が違うのに、同じ墓地に眠るのもまた謎。
時代が違う人が同じお墓に入る、沖縄の「いりく墓」
という風習は、もしや旧石器時代から始まっていたのか?




会場内の展示風景。私が行った24日の午前中は、
熱気溢れる考古ファンらしきオジイとオバアが多かった。
会場入り口に4号人骨の記念スタンプが置いてあり、
こちらもなかなかの人気のようだった。28日まで。
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by utoutou | 2017-05-25 11:27 | 石垣島 | Trackback | Comments(0)
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