六甲山と瀬織津姫 110 隼人の盾

青谷上寺地遺跡(あおやかみじちいせき、鳥取市青谷町)
で見た弥生時代(BC3世紀〜)の遺物には、この地に
南方からの民が渡来したと思わせるに十分な見応えがあった。


白兎神社から海岸沿いの国道9号線を西へ15分走ると、
長尾鼻という、まさに猿田彦の鼻のような形をした岬に着く。
 全長1㎞という岬の付け根あたり(写真左)に、弥生遺跡はある。
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語り部が、「古代琉球に関係があるようだ」と霊視した
「サムハラ神社奥の院(岡山県美作町)の北にある岬の周辺」
はこの日本海沿いと思われるが、岬の南西部(↓青谷交差点)
から見ると、長尾鼻(写真右)はそう長くは見えなかった。
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近くにあった青谷上寺地遺跡展示館を訪れた。
弥生時代の青谷地域を示すCGを撮影して赤丸を付けてみた。
上の赤丸は、現在の海岸線に位置する↑青谷交差点あたり。
下の大きな赤丸が、遺跡中心地(集落)のだいたいの位置。
西に勝部川、東に日置川という2本の川が流れる。現在、
河口部は平野だが、昔は見た通り、潟湖(内湾↓)の際だった。
1991(平成3)年、道路建設予定地の調査で発見された。
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日置川河畔の北側にも、青谷上寺地遺跡より規模は
小さいが、青谷横木遺跡という遺跡がある。
日置川流域の旧地名は、文字通り、気高郡日置郷という。

日置(ひおき)…久々に見たその名は、八頭郡中心部の
春分・冬至のレイライン沿いに白兎神ゆかりの寺社が並ぶ
理由を、ようやく解いてくれた気がする。因幡の地に、後に
朝廷の日置部(太陽と火を祀る部民)となる人々がいた証か。

日置部については、「日置部のレイライン」などにも
 書いてきたが、遺跡でそれを目の当たりにするのは初めて。
天穂日命を始祖となる「ホとヒの人々は沖縄・久高島にいた」
と、語り部はかねがね言っていた。土師氏はその末裔だとも。

天穂日神社は、9世紀頃まで因幡一宮より上位だったという
が、この地で繁栄した最古の一族が祀ったとも考えられる。

さて、
青谷寺地遺跡の展示でまず目を見張った遺物は ↓ 盾。
武器のコーナーにあったそれは、水銀朱で赤く塗られ、
左右一対の渦巻き紋と、三角形の文様が描かれている。
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「弥生時代中期後葉」との説明なので、AD1世紀頃のものか。
まさに「隼人の盾」のシンボルマークと同じ文様に息を飲んだ。
が、後に朝廷に服属して隼人と呼ばれ、日下部と名乗ることに
なる熊襲は、縄文時代から大海を渡り交易していたらしい。
その象徴だった渦巻き紋の付いた遺物は、大いに有り得る?



櫂(かい)にも、渦巻き紋が描かれていた。
こちらは、弥生時代後期初頭から古墳初頭のものという。
イラスト化された蕨手紋に九州の珍塚古墳の壁画を思った。
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弥生時代かそれ以前、この青谷に渡来した人々が
乗っていたらしい丸木船の模型やイラストも展示されていた。
その全長は縄文時代最大級の丸木船よりも長く、7.9mという。

構造も少し違い、縄文時代のように船尾は尖っていない。
四角に整形された板を貼り、大きく反り上がった設計だった。
その構造船の周りを、小中型の丸木舟が囲んで進む船団を
描いた線刻画は、沖縄の爬竜船競争(ハーリー)を思わせた。
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沖縄にいた先週は、ハーリー(海神祭)のある旧5月4日
の直前だったこともあり、ランチを兼ねて奥武島に寄った。
ハーリー船の保管庫に、お祭りを前に島所有の船を整備
する海人がいたので、写真を撮らせてもらいつつ聞いた。

「船の長さはどれぐらいありますか?」
「うーん、7mから8mぐらいあるね」
「古代船と似てるけど、あっちは船尾が反り上がってました」
「これは競技用だから。本物の爬竜船は船尾が反り上がってる」
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古代人は、まさにこの規模の船で東シナ海を航海した?
青谷上寺地遺跡からは、朝鮮半島や中国(新、漢)との
交流を窺わせる遺物がいくつも発見されている。


by utoutou | 2017-06-01 12:46 | 瀬織津姫 | Trackback | Comments(0)
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