2015年 07月 19日 ( 1 )

ヤマトタケル ㉗ 大国主と天日槍 〜 大国魂神社

大国魂神社(東京都府中市)に参拝した。
目的はまず↓隋神門を守る大黒天に会うこと。
数年前に改築なった新門が、陽に映えていた。
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隋神門の表側には、右に隋神の豊磐間戸命、
左に櫛磐間戸命が奉納されている。

その裏(本殿側)の向って左に、大黒天が立つ。
右は事代主で、東西を出雲の神様が固めている。
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語り部曰く、大黒天には隠れた神がいる。
またの名は、国堅大神(くにかためしおおかみ)。
どこかで聞いた名だと思ったら、
酒折宮についての話に出てきた神様だった。

酒折宮の御神体はヤマトタケルの火打袋(石)。
彼は草薙剣と同様に霊験あらたかなその神石を、
返歌の上手だった「火焚きの翁」に授けた。

「返歌が上手いからといって、なぜ火打石を?」
聞くと、語り部は言った。
「翁が、国堅大神の子孫だからでしょう」
「国堅大神? どなたですか?」
「大国主、大物主、大巳貴神、猿田彦、そして…」
「そして…?」
『日本書紀』の最初の天地開闢に出てくる
国狭槌尊(くにさつちのみこと)、さらに…」
「さらに…?」

あのときは、私の理解が追いつかず、
後半の神名については書けなかったが、
語り部はこうも言ったのである。
「国堅大神とは、天日槍(あめのひぼこ)
の祖先にあたる神様かもしれません」

天日槍とは、垂仁の時代に渡来した新羅の王子。
その渡来神の祖先が国堅大神ならば、
大国主もまた渡来神ということになる。

天日槍は、製鉄などの技術を伝えたと言われ、
出石神社(但馬国一の宮)に祀られている。

いっぽう、国堅大神は、
『播磨風土記』に見える大国主の別名という。
その播磨国と但馬国は、南北に隣接していた。

ならば、国堅大神が天日槍の先祖
にあたる物理的な必然はありそうだ。

思えば、ヤマトタケルの母(景行天皇の妃)は、
播磨稲日大郎姫(はりまのいなびのおおいらつめ)。
ヤマトタケルも、国堅大神の血を引いているのか? 



大国魂神社は、大国魂神(大国主)が主祭神。
左右の相殿に、武蔵国の著名六社が合祀されている。
別名・六所宮とも呼ばれる大国魂神社の本殿。
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本殿奥にぐるりと鎮座する
摂社の佇まいとパワー感が素晴らしい。
ことに拝殿の右横(西)に位置する
こちら……住吉神社・大鷲神社。
15時過ぎの太陽を背に、どこか凛々しい姿。
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鳥居横の説明板によれば、
祭神は、表筒筒男命、中筒男命、底筒男命、
そして、大鷲大神。

住吉神社は、大阪府の住吉神社からの勧請、 
大鷲神社は、大阪府の大鳥神社からの勧請。


住吉神社本社の祭神には神功皇后もいる。
神功皇后の出た息長氏の始祖は、
他でもない天日槍。
大鷲大神とは、ヤマトタケルのことである。
こうして合祀された神社には、
出雲というよりも、海を股にかけた
古代海神族の神威が漂っている。



右の赤い建物が、拝殿横の祈祷受付所。
住吉神社・大鷲神社は本殿エリアの北西にある。
北西=玄武が表すのは、冬そして夜。
ここにも隠れた海の神がいるように感じる…。
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by utoutou | 2015-07-19 21:44 | ヤマトタケル | Trackback | Comments(2)