2016年 12月 13日 ( 1 )

六甲山と瀬織津姫 73 浦島太郎の玉手箱

六甲・丹後・琉球の関係を解く鍵が伊勢にある
とは、考えもしなかった展開だが、ともかく
伊雑宮にまつわる竜宮伝説を紐解くことになった。

「答は竜宮伝説の玉手箱にある」と、語り部は言う。


そこでまず注目したのは「伊雑宮の穂落とし伝説」。
亀に乗った浦島太郎が鶴になって空に飛んでいった
という結末が『御伽草子』(室町時代)にあるが、
 もしやその舞台は伊雑宮だったのではないか‥。
と思ったが、そんな話は探しても見つからなかった。
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次に注目したのは、『龍宮へ行った海女』。
(※鳥羽市HPを参照)
〜阿児町の安乗(あのり)に住む海女が竜宮へ行った。
持ち帰った玉手箱には蚊帳が入っていたが、不幸
が続くので伊雑宮に納めた〜という、謎めいた伝説。



地図は伊勢志摩国立公園HPより拝借。右上の
湾口が安乗、的矢湾を西へ進むと伊雑宮のある磯部。
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そう言えば、私が2年前に的矢湾を訪れたとき、
語り部は「的矢はヤマトのこと」だと言っていた。
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さて、
その蚊帳(かや)とは、いったい何を意味するのか?
私は、伽耶(かや)の暗喩ではないかと考えた。
浦島太郎(日下部の首)に代表される海人族は、
3〜6世紀に朝鮮半島にいたとされる伽耶
(加羅諸国)と、深い関係があるのではないかと。

理由はいくつかあるが、それについては次に回し、
まずは、語り部の見立てを書き留めておこうと思う。

その答えは、「蚊帳は萱だ」というものだった。
萱、茅‥いずれも「かや」=ススキである。
それを聞いたとき、私はすぐに久高島を思った。

久高島ではクバ・アザカ・ススキを三種の神木と呼ぶ。

男根や蛇に見立てられるクバは、太陽神の依り代、
お月見に供えるススキは、月神の依り代、
葉が十字に対生するアザカは、地主神の依り代と
私は考えているが、ススキはアマミキヨの神木
でもあるといい、次のような開闢伝説がある。

〜天帝の命で天下ったアマミキヨは、久高島の
北端のカベール岬にシマグシナーを突き立てた。〜
「グシナー」とは、真萱(まかや)のことである。


また萱は、大和神話で語られる鹿屋野姫に通じる。
昨年、5回にわたって記事にしたことがあった
(富士山本宮浅間神社シリーズはこちら)が、
鹿屋野姫は、木花咲耶姫の母神。

『日本書紀』では鹿屋野比売神(かやのひめかみ)
『古事記』では野椎神(のづちのかみ)と呼ばれる。
 月の神、草の神、酒の神であり、かぐや姫説もある。

丹後の浦島神社には、月讀命が祀られているが
由緒は、領主・日下部氏は月讀命の子孫だと記す。
つまり、浦島太郎は月神・鹿屋野姫の末裔と考えられる。

「萱と言えば、神武天皇の父は
鵜草葺不合命(ウガヤフキアエズ)ですよね。
そして、彦火火出見尊(山幸彦)と豊玉姫の子」
私が聞くと、語り部は言った。
「どちらも、琉球開闢の地・玉城と久高島に
いた神々だと、私は見ています」

すると、浦島太郎の行った龍宮とは琉球に‥
とりわけ玉城・久高島にあったということになる。



アマミキヨがシマグシナー(真萱)を立てたという
神話の舞台、久高島の聖地・カベール岬。
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by utoutou | 2016-12-13 22:06 | 瀬織津姫 | Trackback | Comments(0)