2017年 03月 21日 ( 1 )

六甲山と瀬織津姫 96 女神はオコゼが好き

真砂の話をしていたときだったか、語り部に聞かれた。
「玄界島というのが、志賀島の近くにありますか?」
「はい、下馬ヶ浜から綺麗に見えましたよ」
沖津宮を見た帰り際に、「玄界灘の記念に」と撮った
1枚がこちら。↓道々調べて、玄界島という名だと知った。
志賀島の北西に浮かんでいる。その距離10㎞ほどか。
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語り部のインスピレーションは、アマミキヨ追跡
の大きなヒントであると同時に、こちらにとっては、
「裏取り」というミッションを告げる(笑)もの…。

調べ物が苦手な語り部からの質問は続いた。
「昔は、久島とか、月海島とも呼ばれていましたか?」
「調べてみます…」
「月読命を祀る若宮神社はありますか?」
「へぇ、調べてみます…」
「猫がたくさんいますか?」
「猫ですか、調べてみます…」


ようこそ玄界島へ」というご当地のサイトを見ると、
語り部の話は、すべてドンピシャの大当たりだった。

玄界島は、古くは久島、さらに月海島と呼ばれており、
若宮神社の祭神は月読命、また国内有数の猫の島だという。
2005年に起きた福岡西方沖地震では、真砂土が
土砂崩れを起こしての被害が相当あったことも分かった。

語り部からの話は、いったい何を示唆をしているのか?
キーワードはどうも、「隼人」のようだと、私は考えた。



志賀海神社の摂社に ↓ 「山之神 社」がある。
祭神は大山津見神。木花咲耶姫や山幸・海幸の父神だ。
隼人族の地元・鹿児島では「鉱山の神」として崇められる。
そう言えば、薩摩隼人は砂鉄を採り産鉄技術を有していた。
 隼人・海人族・真砂・産鉄・大山祇神と、一線に繋がった。
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「山之神 社」の説明板には、冒頭、次のようにあった。
 
〜御神徳 えんむすび・夫婦円満・開運
おこぜ や あらかぶ を供えると、その顔立ちの悪さを
見て滑稽に思われ、快く願いを叶えてくれる(後略)〜

まさしく大山祇神社と同じだ。愛媛の大三島にある
大山祇神社にも、オコゼを奉納する風習があると聞いた。
山の神は醜女なので自分より醜い魚を見ると喜ぶのだと。

さて、興味深いことに玄界島で月読命を祀る若宮神社
にも同じ風習がある。以下、玄界島のサイトより引用。

〜若宮神社
若宮神社の神様は女性の神様で、その姿はみにくく、
綺麗な女性や綺麗な魚を嫌い、オコゼという
醜い魚を祭ります。若宮神社の始まりは島の海岸
に流れ着いた神様・月読命を 〜(後略)

月読命とは、隼人族(後の日下部氏族)の祖神である。
丹後与謝郡筒川の浦嶋神社の祭神は、浦島子(太郎)
と、月読命と、(瀬織津姫と言われる)祓戸大神である。


月読命と大山祇神が、オコゼ好きな女神だったとは…。
そう言えば、海の底から出てきた安曇磯良は、
醜く鬼のような顔をしたオコゼに例えられたという。

月読命と大山祇神がオコゼ(安曇磯良)を喜ぶのは、
海神を崇めて止まない証だと言っているかのようだ。
また、安曇族と隼人族は同族であるということも…。

安曇磯良の祀られている関門海峡の和布刈神社は、
江戸時代まで速人社・隼人社・早鞆明神と呼ばれた。


伝説や物語も、かなり似ている。
志賀明神とも呼ばれた安曇磯良は、金の亀に乗って現れ、
龍神から賜った潮干珠・潮満珠を神功皇后に授けた。
浦島太郎も亀に乗って龍宮城に行き、
龍宮乙姫から貰ったた玉(珠)手箱を持って帰ってきた。


「龍神の珠」がもたらす霊力は、まさに人智を超えていた。
 海人族(海神族)は、それを生み出す術を知っていたか。

その謎解きは次回以降に進めるとして、つくづく思う。
和布刈神事で刈られたワカメも海神の賜物なのだった。
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by utoutou | 2017-03-21 11:22 | 瀬織津姫 | Trackback | Comments(0)