六甲山と瀬織津姫 127 三つ巴の珠

龍宮へは ↓いつもイラブーガマ(洞穴)から歩いて行く。
イラブー漁は島の南端にあるガマ(写真の手前あたり)
で行われるが、イラブー漁もなかったであろう神代には、
この岩場から地下龍脈を通って龍宮へ進んだと思われる。

ガマを地上から覗き、イラブーが産卵のために寄り来る
季節の夜の海を想像した。泳ぐイラブーは光って見えるとか、
産卵のときの卵は光るというが、私はそれを見たことがない。


出雲・美保神社の船倉には「神光照海」と墨書された額が
掲げられており、(私の参拝時は改装中で見られなかった)
谷川健一氏によれば、それはセグロウミヘビの夜泳ぐ姿が、
金色の火の玉に見える様子を表現したものだという。
光る玉を、古代の人々は海神の国からのお使い神と崇めた。
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ただし、ここは海神の住む龍宮そのものとされる島。
その道筋を辿り龍宮へ向かうことは、神事そのものだ。

そう言えば、イラブーガマにもアザカの木が茂っていた。
別名・長実ボチョウジ。時季には、赤白黄の実をつける。
イザイホーでは、神女たちが三色の実をつけたアザカを
先輩神女に髪に挿してもらうのが、神女誕生の儀式だった。
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語り部は言う。
「三色の実は、3つの珠を象徴していたと思います」
3つの珠。
やがてそれは、琉球王朝の神紋・三つ巴紋になるが…。


神女のウメおばあ曰く、久高島に天祖・人祖・皇祖がいた。
また語り部曰く、それは久高島に三軒ある根家のことであり、
玉城ミントングスクの神壇に始祖として祀られている
アマミキヨ・シロミキヨ・天孫氏のことでもある。


神壇に刻印された ↓三つ巴神紋は、その三祖を意味する。
勾玉3つでひとつの珠、リアルに上から見ても珠はひとつ。
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そして、神女のウメおばあは遺言のように語り伝えた。
「神様は、元ひとつだよ」
 語り部は、こう説明する。
「元ひとつの神とは、龍神=海神=綿津見神=豊玉彦
=猿田彦=ニライウフヌシ=後の和邇族の初代首長。
 古来の海を制したワニ族から三祖が生まれ、その三祖から
  各々海人七氏族が生まれ、ヤマトに広がったと思います」

つまり、私が龍宮の中で見せられたあの「白い卵」は、
元津神・龍神から生まれた海人族(海神族)の原像か。

ところで、4回目の龍宮訪問は実現しなかった。
この6月、久高島に渡ろうと沖縄に行くと語り部が言った。
「龍宮ではなく、他に行くべき御嶽があるようです。
龍宮には白い珠、アカララキには赤い珠があったとして、
次は黄色の珠…その御嶽は久高島の北にありそうですね」

それなら、何度か訪れたウパーマ浜あたりかもしれない…。





# by utoutou | 2017-08-26 11:10 | 瀬織津姫 | Trackback | Comments(0)