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琉球玉依姫〈5〉神になった玉依姫

上賀茂神社の第一摂社・片山御子神社(片岡社)を、
NHK大河ドラマ『光る君へ』に出演の吉高由里子
さんと柄本佑さんが訪れたというニュースがあった。
京都で開催した広報イベントの前に参拝した模様。

私も昨年11月末に参ったばかりの神社前に並ぶ、
紫式部と藤原道長。もとい、吉高さんと柄本さん。
※写真はNHK『光る君へ』公式サイトから拝借
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同じアングルから撮っていたので、やや感慨深い。
報じたメディア記事によると、吉高さんらが参拝
したのは番組スタート当日(1月7日)の「昼」。
私のほうは午後3時半。少し陽が陰ってきていた
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2枚の写真に写る日影の変化を見て気づかされた。
片山御子社は東を背に鎮座している。片岡山の杜
とは神社本殿前の東に位置する山(標高166m)を
指す。賀茂玉依姫命はその西麓に祀られている
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 上賀茂神社境内図。片山御子神社に赤丸を付けた。
 すぐ斜め下が「岩上(がんじょう)」。葵祭では、
 まず宮司が岩上に立ち、勅使に神意を伝えるという
 神聖な場所。神とは他でもない賀茂玉依姫である。

日御子・巫女だった賀茂玉依姫は、丹塗矢(朝日)
に触れて身籠り、賀茂別雷大神の母となる神話の主。
この地は昇る太陽に向かう姫に相応しい聖地なのだ
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紫式部が20代前半の未婚の頃にこの地で詠んだ
という和歌を、いま改めてしみじみと味わう。

〜 ほととぎす 声まつほどは 片岡の 
もりのしずくに 立ちやまれまし 〜

【通釈】ホトトギス(将来の結婚相手)の声を
待っている間は、この片岡の杜の梢の下に立って
朝露の雫に濡れていましょう ※解説板より
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↓↑解説では、ホトトギスを「将来の結婚相手」と
 訳しているが、確かにホトトギスは春を告げる鳥。
 平安時代から、縁結び・恋愛成就を祈願する社だった。
 紫式部が友に「ホトトギス鳴かないね」と言われて、
「光る君」を想い、この句を詠んだ情景が目に浮かぶ
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ところで、巫女として祭祀を司った賀茂玉依姫は
 やがて神格化され、こうして神として祀られた。

琉球玉依姫こと、天久ノロだった中玉依姫も、
やがて村の神壇に「天久ノロ神」として祀られた。
京都と琉球、ところや時代は異なっても、
人々が女神に祈願する信仰はとても似通っている。




# by utoutou | 2024-01-12 17:26 | 最終章 | Trackback | Comments(1)