那覇がX'masイルミネーションに包まれていた
23日、久高島“みるく”の御嶽を訪れた。 「神の島」の始祖ファガナシーとシラタルの居住地と伝わる アグルラキにある知られざる洞窟神殿。 入口は体重50㎏の私がホフク前進でようやく通れる穴。 暗闇に体を滑り込ませると、むせ返るような古代の匂いがした。 蒸し暑くて息苦しい。内部はそれでも体育座りができる高さがあり、 懐中電灯で照らすと広さは十畳ほどあるかと思われた。 ただ静寂。正面に神の依り代であろう巨石が鎮座し、 シャコ貝が香炉としてか、そっと置かれている。 神役や神女により極秘に守り抜かれてきたか、厳かな印象。 ファガナシーが崇めた神の名前は、 太陽神・東大主(あがりうふぬし=男神・天照大神)か。 合掌する余裕が出て来るころには息がラクになり 「なんなら1泊を」とも思ったが、さすがに、 聖なる神殿でカメラのシャッターを押すことだけはためらわれた。 20分ほど滞在して洞窟から這い出てくると、 竜宮城から戻った浦島太郎の気分に。ふと空を見上げると、 聖樹・蒲葵が1本(中央)まっすぐに立っている。聖地の証しだ。 ![]() 語り部から聞いた玉城の神女ウメおばあの話が思い出された。 「薮薩(やぶさつ)が沖縄でいちばん古い御嶽だよ。 ここを拝まなければ、ミロクの世は開かない」(記事はこちら) 「ミロク(弥勒)の世」とは、古代に栄えた「豊穣の世」。 それを招来するべく、祈りは捧げられた。 ![]() みるくの御嶽を出た足で、久高島の主祭場・外間殿に寄った。 久高島の失われた秘祭イザイホーは、日没とともに始まる祭りだったが、 その直前、近くの外間家でノロが詠ったとされる 「イザイホーの神歌(てぃるる)」を想う。 うりてぃうり しなーち(降りて降り、乗り移ります) てぃりないぬ ぬるがしじ(生まれ変わる、ノロの霊力) てぃりないぬ あまみうしじ(生まれ変わる、太古からのノロの霊力) 「てぃりないぬ」とは久高島の方言で「再生の」という意味。 本島では「すでなりの」と言う。古語の「すでなり」とは、 「蛇が脱皮するように生まれ変わる」こと。つまりイザイホーとは、 蛇が脱皮するように生まれ変わってきた、太古からの神聖なる霊力を、 島の女が授かり受け継ぐ祭りだった。 そして、女たちは神祀りを司る神女として生まれ変わったのだ。 新儀では琉球王を崇める祭りだが、 古儀にファガナシーの興した古代の祭祀が隠されていたと思う。 外間殿の百甕(むむはめー=ももはめー)。いわゆる御賽銭箱。呼び方の由来について、 「“百”という字のついたヒメと、“甕”(みか)という字のついたヒコ」と、語り部は言う。 “甕”の字を冠した首長がいた時代が、古代琉球に栄えた「みるく世=弥勒世」だと。 ![]()
by utoutou
| 2013-12-29 14:29
| イザイホー
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