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斎場御嶽 魂の再生を願う勾玉

沖縄最高の聖地・斎場御嶽(せーふぁうたき)の景観といえばコレ。
三庫理(さんぐーい)の巨大鐘乳石でできた三角空間。しかし、先日
も人が途切れず、無人のシャッターチャンスはなかなか訪れなかった。
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昨年のGWに3000人以上/日と、斎場御嶽は最高の入場者数を記録。
年間40数万人、世界遺産となった'00年以前に比べると10倍以上。
南城市では「男子禁制を検討中」というが、その是非はさておき…。

私などは、聞得大君の石香炉(右の大岩=チョウノハナの下に並ぶ)
の保全もちょっと甘いんではないかなあと、ハラハラして見ている。

事態は必然と言えば必然で、三庫理(庫理は「神の座」との意味とか)
の東(左)、久高島遥拝所に立つ人溜まりの最後尾についた人が、
それが石香炉とは知らずに、後ずさりした勢いでつい乗ってしまう。
案内板に気づいてギョッとしても、それは後の祭りというやつで…。
斎場御嶽 魂の再生を願う勾玉_a0300530_718822.jpg



三庫理内から出土した金製の勾玉が、調査の結果、お金や中国製の
青磁器とともに国の重要文化財に指定されたのは'01年のこと。当時、
知念村と県は「聖地を清める儀式のために埋められたものではないか」
と見解を示したが、伝承によれば勾玉はこの地が王家の葬所である証し。
勾玉は、魂の永遠と再生を願い、埋葬と同時に納められたものだと…。
                   (写真は文化庁HPより借用)
斎場御嶽 魂の再生を願う勾玉_a0300530_7122275.jpg

                    
聞得大君の石香炉の前からチョウノハナの頂上を見上げた。
古来そこに神木クバが立ち、葉を伝った雨粒が真っ直ぐに落ちたという。
クバは男根(生命の根源)に例えられた。また三庫理の内部は子宮に。
イビヌメー(威部の前)から出た勾玉は、輝かしい胎児を連想させる。

思えば琉球王府の神紋は、勾玉がぐるりと連なった左巴紋。
その巴紋は、一説には、蛇がトグロを巻く姿から生まれたという。
蛇は古代ギリシャで、エジプトで、またインドで、神のシンボルだった。
琉球の竜神信仰は、アマミキヨがオリエント由来であると暗示している。
斎場御嶽 魂の再生を願う勾玉_a0300530_12241533.jpg

by utoutou | 2015-08-23 11:20 | 斎場御嶽 | Trackback | Comments(6)
Commented at 2014-03-25 14:01 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ニルヤカナヤ at 2014-03-26 09:33 x

確かに入場制限は必要かもしれませんね………って、自分も男だった(°°;)

でもかえって希少価値だとプレミア感が増す気もします。TVで拝見してみると三輪山など完全な禁足地になってたりするようですから、聖域として琉球王国時代の慣習に則って女性限定はアリかもしれませんね。

今世男に生まれましたが、すでに拝観の栄を賜ることができましたので光栄でした。

斎場御嶽はこれまでの聞得大君をはじめとする女性神官たちの祈りの層が積み重なっているようで、きめ細やかな優しさが存在しているような気がしますので大事にされて欲しいと思います。
Commented by utoutou at 2014-04-02 09:34
ニルヤカナヤさん こんにちは。女性限定になると入場者は減少するのでしょうが、それだと王府時代以前の斎場御嶽の歴史を絶ってしまうような気が…。ともかく、今後の成りゆきに注目ですね。
Commented by ニルヤカナヤ at 2014-04-04 23:08 x

お返事ありがとうございます。

琉球王国以前の歴史ですか。それには思い至りませんでした。それを大事にされた対応でしたらどんな決定でも支持いたします(^_^)
Commented by utoutou at 2014-04-06 18:18
ニルヤカナヤさん こんにちは。斎場御嶽の禁足地ともいえるナーワンダーグスクについて書きました。琉球の祭祀の歴史は実に重層的で深いですね。
Commented by ナオ at 2014-04-30 09:29 x
始めましてー!昨日姉と初久高島やらミントン城跡や垣花ヒージャーなどいってきって、ミントン城跡の存在が分からなかったので調べてたらこのブログが見つかりました(`_´)ゞ興味深くてアマミキヨの事もっと調べたいと思いました!ありがとうございます!沖縄出身ですが、何も分からなかったので勉強なります!ミントン城跡の知念さんも面白い人?だったので色んな所にも出向きたいと思いました!
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