ナーワンダーとは「なでるわ」の転語で「守護霊の霊力」だと 言ったのは、琉球大学名誉教授・湧上元雄氏。その御嶽は、 グスク時代(13〜15世紀)以前にできた守護霊の祭祀場で、 聞得大君が国家祭祀のために崇める以前は、村の聖地だったと。 伊従勉氏(こちらにも)は琉球王府時代の「浦を守護する神霊」だとした。 ナーワンダーグスクとは、斎場御嶽のある久手堅から百名にかけ 広がる内海(イノウ)から黙視できる、一対の聖なる巨岩であると。 聞得大君と国王による久高島渡海も、ナーワンダーに守られた。 久高島へ向うフェリーから見たナーワンダーグスク(白い矢印、昨年末)。 ![]() 荒俣宏氏も著書『風水先生 四門の謎を解く』( 00年、世界文化社) で、偶然の出会いからナーワンダーグスクを訪れた体験を記した。 このブログを読んだ方から「ナーワンダーらしき御嶽が書いてある」 とコメントをいただいたので、早速、本を取り寄せてみたところ…。 荒俣氏は、ナーワンダーの御嶽名を知らずに訪れたようで、 斎場御嶽の一部として挙げているが、地元に在住する知人に 写真をメールで送ると「この鏡はナーワンダーのですね」と返信がきた。 ↓こちらが荒俣氏の本に載っているナーワンダーグスク。 キャプションは、「斎場御嶽 沖縄本島知念村 沖縄でもっとも神聖な、祭祀の場所。御神体の鏡が祀られている」 ![]() 荒俣氏のグスク探検のくだりを、以下に要約すると…。 斎場御嶽の三庫理で、おばあさんが話しかけてきた。 「御嶽の奥の森のいちばん高い岩の上に、御神体の鏡が祀られている。 今の鏡は二代目で、前の鏡はだいぶ以前に本土から皇室の方が見えて どこぞへ持ち運ばれたそうですよ。理由は知りませんけどね」と。 とにかく荒俣氏は、おばあさんの話に興味をそそられた。 天皇までがこの御嶽に関心をもっていたとは、ただごとではない、 とにかくその鏡を見たいと。そして探し回り、遂に大岩を発見。 林の中のハブの巣窟のような、切り立った大岩をよじ登ると、 頂上は、大人が5、6人座っていられる平場の拝所になっていた。 またその向こうに、さらに2メートルほどの岩がそそり立ち、 鏡はその上に南を向いて立ち、光り輝いていた。 皇室が持ち去ったという鏡(の代替品)を見た荒俣氏は書いた。 「ほんとうに驚いた!」「不可思議なスポットだ!」(要約、以上) 荒俣氏の登った大岩は、イナグ(女)ナーワンダー。 5mほど離れた場所にそびえるのが、イキガ(男)ナーワンダー。 その鏡とは関係ないが、斎場御嶽が世界遺産になった翌年(01年) 秋篠宮殿下ご夫妻が訪沖。その際の写真が久高島の食堂とくじんに。 ![]() 徳仁港にある食堂とくじん。こちらテラス(港)側。玄関は反対側。 とくじん店内の壁に貼られた“秋篠宮様ご夫妻への特製メニュー”に、 イラブーの煮込みも記されてあった。普段は観光客と島人とで賑わう。 ![]()
by utoutou
| 2015-08-23 12:00
| ナーワンダーグスク
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Comments(1)
![]() ナーワンダーグスクは斎場御嶽の奥の宮なのでしょうか。観光地化されてない隠された聖域ですね。 久高島の食事処とくじんさんの秋篠宮さまご夫妻のお写真には感動しました。行けた時にはぜひ直に拝見させていたできたいと思います。 その時には特製メニューのイラブー煮込みもいただきたいと思います(^_^)
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![]() by utoutou
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