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甦る古代琉球〈10〉スサノオ降臨と天磐船

「天王加那志(てんおうがなしー)はスサノオ」と聞いて胸が騒いだ。
天地大神様(あめつちのおおかみさま)という神名も、ただならぬ気配。
ただし、初めて聞く神名ではなかった。語り部に訊く。
「天王ガナシーは、あのヤハラヅカサで崇められていたという神様ですか?」
「そうです」
「では、その天王ガナシーのお妃にあたる女神は?」
「天妃ガナシーです。天妃大阿母加那志(てんぴうふあむがなしー)。
 天美大阿母加那志(あまみうふあむがなしー)とも呼ばれます」

アマミキヨの渡来地として知られるヤハラヅカサ(南城市)。
この浜は、天王ガナシー・天妃ガナシーの二神にゆかりの地でもあった。
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そして、いつの時代からか、その司祭を久高島の大里家が担うようになった。
いま一度、久高島の宗家・大里家の神壇画像で神名を見る。
右に天美大阿母加那志とある。またの名を天妃ガナシーという女神だ。
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沖縄で秘かに語り継がれてきた「スサノオ」は、記紀に登場する「スサノオノミコト」
とも、シュメールから渡来した民族が祀ったという「スサの王」とも、様相が異なる。
『契丹古伝』にいう東大神国(しうから)の統治者(スサダミコともいう)であり、
高天使鶏(こまかけ)という空船で世界を飛び回ったという天祖。
スサノオこと天王ガナシーは、古代琉球王朝の始祖神にして「天界の王」だった。
そのことは、比嘉康雄氏の著書『神々の原郷 久高島』でも、窺い知ることができる。

〜天王ガナシー この神の香炉は大里家にある。神名からすると天界の王という
ことになるが、久高島では天に対する意識は希薄であり、この神も神観念に
そぐわない神である。神職者不在〜
          
「天王ガナシーの降臨はどの時代のことですか?」
「神代の時代ですね。少なくとも1万年前に終わったヴュルム氷河期より前」
「神代の船でヤハラヅカサに渡来したと?」
「天磐船(あまのいわふね)で。神女のおばあたちもそう言ってました」
「つまり、星から飛んで来た?」
「はい、ヤハラヅカサは神代の昔からUFOが飛来するメッカだったのでしょう」
「……」
あまりに壮大なスケールで絶句するしかないが、確かに今でもUFO目撃談は多い。

さて、『古事記』『日本書紀』にも、天孫饒速日尊(にぎはやひのみこと)が、
天照大御神の命により天磐船で河内国河上哮ヶ峰(たけるがみね)に降臨した
という神話が出てくるが、語り部によれば、その元型は琉球神話にある。
「スサノオの霊をお継ぎになったのが、饒速日尊(にぎはやひのみこと)です」

大里城跡のある大里、うぷんでぃ(大里)山と大里家のある久高島、そして玉城周辺。
その3点を西・東・南の端とする知念玉城台地一帯が、御先天孫氏王朝が栄えた地。
そして、中心となる祭祀場が、斎場御嶽の奥宮・ナーワンダーグスクだったか。

スサノオが天磐船で降臨したのなら、与那国海底遺跡調査で知られる木村政昭教授
による「ヤハラヅカサのストーンサークル説」も、俄然リアリティーが高まる。
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by utoutou | 2014-06-03 10:42 | 天孫氏 | Trackback | Comments(0)
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