「天祖を探せ」とのメッセージを受けてから2週間。語り部から連絡があった。
「天祖・皇祖・人祖が分かりましたよ」 「とうとう、分かりましたか…」 「玉城には、天祖・皇祖・人祖がいらっしゃる」 古代天孫氏王朝に繫がるという屋号新門(みーじょう)家の神女ウメおばあが遺した言葉。 遥かなる神世からの言い伝え。その謎が解けたというのだ。私はすかさずペンを握った。 ウメおばあの口伝は、物語形式で語られたわけではなく、すべて断片的な仕立てだ。 それらを心に止め、繋げて、古代の神々を悟っていくのは、容易なことではない。 琉球は「日本の神々の原郷」と言われてきたが、その意味を突き止めた人はいない。 この度の「ナーワンダーに行く前に天祖を探せ」という託宣も、謎めいていた。 天祖と、斎場御嶽の奥宮・ナーワンダーが、どういう関係にあるのか。 それを推測するためにも、私が拾ったいくつかの断片をここにメモしておきたい。 語り部から聞いた「天祖・皇祖・人祖」について書く前に…。 まず「天祖」について。ミントン門中の屋号アマス家とは、 まさしく天祖ではないかと、私は語り部と出会ってから秘かに考えていた。 「久高島の始祖ファガナシーはミントンの娘、その母はアマスの女」と、島でも聞いた。 その少女が久高島に渡り「神の島」を再興したという。ヤマトの斎宮のように親元を離れて。 「神の島」伝説には、琉球の大いなる記憶が込められているように思えてならなかった。 ミントングスク(南城市仲村渠)。石段の上はアマミキヨの居城跡にして祭祀場跡。 ミントン門中(男系神族)のアマス家は、グスクの目と鼻の先にあった。 ![]() 次に「皇祖」について。 戦前生まれの神女たちの口伝には、皇祖の天照大御神(女神)は登場しない。 琉球の始祖たる古代の神々のなかに「日本の皇祖がいらっしゃる」というのである。 そして「人祖」について。 人祖を思わせる御嶽は、玉城にあった。ミントングスクから歩いて5分。 百名小学校を見下ろす小高い場所に「ちんさーの御嶽」がある。 「角の生えた大昔の男の人が住み着き、眠る御嶽」と伝わる。男塚である。 ![]() 「ちんさーの御嶽」からさらに徒歩5分。百名公民館の敷地内にある「ちんたかーの御嶽」。 こちらは「大昔の女の人が住み着き、眠る御嶽」。こちらはいわゆる女塚。 ![]() 男女別のお墓に入るのが、人祖の特長であろうか。 出雲大社の近くで、女性だけが眠る墓地に迷い込んでしまった経験がある。 10基以上並ぶ墓の碑銘がすべて女名。古代の墓ではなく縦型で近代のものだった。 後で、出雲大社の社家では、夫婦でも別の墓地に入るしきたりがあると聞いて、 玉城のこの「ちんさー・ちんたかーの御嶽」を思い出したのだった。
by utoutou
| 2014-07-20 08:41
| 琉球の神々
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