多忙でバタバタしていて投稿を休んでいたが、あることが夢にまで出てきた。
6月末の沖縄旅でドライブした、伊計島に関連する話である。 沖縄本島東の太平洋上に、久高島から北へ7つの島が連なっている。 津堅島、浮原島、浜比嘉島、平安座島、宮城島、そして、いちばん北が伊計島。 南北に点々と連なる7つの島は、方言で「ニブトゥイ」と呼ばれる。北斗七星の意味。 「北斗七星=柄杓(ひしゃく)」のカタチになる。↓ こちらは伊計島の入口にある伊計ビーチ。 ![]() 本題はここからで、沖縄の工芸品に「クバニブ」というものがある。 蒲葵(クバ)製の柄杓(ニブ)である(写真右下)↓写真は海洋文化研究所さんのFBから拝借。 ![]() さて、かつて久高島に「ニブトゥイ」という名の男性神職がいた。 古祭イザイホーの締めくくりに、神酒桶からクバニブですくった神酒を酒杯に注ぐ役だった。 ニブトゥイはまた、神女たちが禊をするイザイガー(川泉)の管理も担っていた。 つまり、イザイホーの運営に深く関わる、重要な公職だった。 ニブトゥイは代々、久高島の旧家・糸数家より輩出されると決まっていたという。 糸数は屋号を「イチャリ」という。船の碇(いかり)が語源だそうだ。また、 イザイホーの「イザイ」は「漁り」だとも言われる。いずれにしてもイチャリに縁が深い。 イチャリの男たちは海人だった。古くから、北上するイラブー(海蛇)を追って外洋で漁をした。 主な漁場は奄美本島付近。イラブー漁をする久高島の海人(1850年代)を描いた絵が残っている。 海人(ウミンチュ)=天人(アマンチュ)。 「海(あま)は天(あま)である」と、籠神社の海部宮司は言った。 イチャリは古代の海人部(あまべ)の末裔であると考えられる。アマミキヨの語源である。 ↓写真はイザイホーの最終日「アリクヤーの綱引き」の後、四方拝をする久高ノロ。 「アリクヤー」も海人の意味。掲げる大扇は、古くは蒲葵製だった。蒲葵は龍蛇に例えられる。 ![]() (写真は比嘉康雄氏著『神々の古層 主婦が神になる刻 イザイホー』より拝借) 四方拝とは、天皇が年の初めに臨む儀式として知られるが、沖縄で四方拝を行う祭りは、 このイザイホーと天親田(アマウェーダ、年の初午の日に行われる田植え神事)。 現在はミントン家が祭主を務めるが、元々は天祖(アマス)家が執り行ったと考えられる。 稲作の祖は「天祖のアマミツ」たち。明治以降にアマス家は廃絶したと伝わるが…。 神酒、四方拝、龍蛇、北斗七星、海人部。久高島には、日本の古代が確かに眠っている。
by utoutou
| 2014-08-13 15:42
| 琉球の神々
|
Trackback
|
Comments(0)
|
![]() by utoutou
カテゴリ
全体 ミントングスク 久高島 イザイホー 玉城 語り部 城(ぐすく) 天孫氏 御嶽 スサノオ 出雲 神社 琉球の神々 伊勢 洞穴(ガマ) 龍蛇神 ヤマトタケル お知らせ 天女伝説 斎場御嶽 ナーワンダーグスク 石垣島 九頭龍 瀬織津姫 琉球の玉 舜天 琉球王 グスク・御嶽 最終章 未分類 最新の記事
以前の記事
2025年 11月 2025年 10月 2025年 09月 2025年 08月 2025年 07月 2025年 06月 2025年 05月 2025年 04月 2025年 03月 2025年 02月 more... 画像一覧
最新のコメント
最新のトラックバック
検索
記事ランキング
ブログパーツ
フォロー中のブログ
ブログジャンル
外部リンク
ファン
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ファン申請 |
||