そこに鏡はあった。本当にあった。 これが祖神の霊を祀る日巫女の鏡だ。 沖縄至高の御嶽・斎場御嶽の奥宮と言われる ナーワンダーグスクの聖なる頂き。 極秘に伝わる御嶽とはいえ、 まさか天頂に、本当に鏡が祀られていたとは。 5mほど先にそびえる巨岩の上に祀られた鏡と 対峙して、それだけを思った。 ![]() イナグ(女)とイキガ(男)。 巨岩一対を成すナーワンダーグスク。 かつては斎場御嶽の拝所・寄満(ゆいんち) の対面に登り口があったが、 現在、登山道は「立ち入り禁止」。 ナーワンダーは原始の森に隠された。 ただし、裏からの道は何本かある。 2ヶ月前にそこから森に入った。 が、案内人はイナグの巨岩に登ったことはなく、 麓から引き返したのだった。 いっぽう語り部は、裏道は知らないが、 寄満から登ったことがある。 巨岩の麓まで行けば、登ることができるという。 ふたりで行けば登頂できるだろうと、 語り部に同行を頼んだ。 数日前から沖縄入りして機を待ち、 登ったのは8月27日(水)。 「新月の日がいい。27日に登りましょう」 と語り部が言ったその意味に、 鏡を仰いでようやく気がついた。 「そうだったのか! 月…。 鏡とは月のことだったんですね」 ただ、そうピンと来た。 「そうですよ。鏡は月を意味していると思います」 天頂へのクライミングを試みている語り部の声がした。 鏡の一段下の祭祀空間へも、このような絶壁を登る。 およそ高さ8m。墜ちたら事件、登れたら発見。 40度近くある気温にクラクラしつつ、 岩にへばり付いて登った。 ![]() あと一息で天頂。最後の巨岩クライミングに挑む前、 太平洋の画像を撮った。 見慣れた海を初の視座で見る。11時17分。 森に分け入ってから30分経過していた。 ![]() ※投稿日が2015年8月になっているのはカテゴリを変更したためで、 ナーワンダーグスクに登頂したのは、'14年8月27日のことでした。
by utoutou
| 2015-08-26 13:33
| ナーワンダーグスク
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Comments(1)
![]() ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
|
![]() by utoutou
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