「猿田彦神はテーラーガーミだと」と、語り部は言う。 過去にそういう神託があり、 また神女の人たちも言っていたと。 テーラーガーミ(太陽神)。 沖縄久高島で旧暦8月に行われる「太陽の祭り」 久高島では珍しい男の祭りである。 伊雑宮のもともとの祭神は男の天照大神であり 伊勢志摩の地主神・猿田彦だと何度か書いてきたが、 猿田彦は南方から来た「日神」「渡り神」だったか。 一昨年の久高島・テーラーガーミ。 大主(ウプシュ、50〜70歳の男)たちが集落を祓いながら歩く。 ![]() テーラーガーミの主祭場・ハンチャアタイ(神の畑)。 右端にある石積みの山は、拝所「天の門」(てぃんぬじょう)。 「天と地をつなぐ石」あるいは「天へのかけ橋」である。 男たちは祭りの始まりとともに、集落中央のこの地で、 正座したまま東にある「天の門」に向き、合掌礼拝。 テーラーガーミの霊威を受け取る。 ![]() 語り部は言った。 「テーラーガーミが猿田彦だということは 隠されてきたのだと思います」 久高島では8月を“ハティナリキ(悪い月)”という。 ゆえに健康祈願の祭りをするのだと伝わる。 しかし、実は、太陽神が男であってはならないという ヤマトか琉球王朝の圧力があったのではないか。 「宮古(島)の狩俣という集落に祖神祭(うやがんまつり) という冬祭りにも、サダル神がいる」という。 神女たちが列になって歩く祭りの、 その先頭に立って歩く神女が、サダル神。 “道ひらきの神”としての原型は沖縄の島々にあったのだ。 思えば「天の門」は、伊雑宮の御神田の柱と同じ機能を持つ。 ↓あぜの中央に1本(いまは2本)の柱が立ち、 御田植え祭りでは、そこにゴンバ団扇を挿すのだが、 これは、天と地とを結び神が昇降する「天のかけ橋」だ。 伊雑宮の祭神が「玉柱屋姫」だった時代もあるが、 それは「柱」を祀る日巫女という意味か。 ![]() 伊勢内宮に近い宇治浦田にある猿田彦神社 の北側にある御神田にもまた「天のかけ橋」があった。 ![]() 語り部の話は続く。 「猿とは申とも書きます。田んぼに挿した柱だから、申。 久高島の“天の門”も、太陽神が依りつく忌柱なのです」 私も言った。 「京都の賀茂神社にある御蔭木(みあれぎ)の原型? ならば、物部(もののべ)の神祀りと同じですね」 「琉球は、物部氏ら海人族が黒潮に乗って渡来して、 去っていった島ですから」と、語り部。
by utoutou
| 2014-12-03 22:47
| 伊勢
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