ニライ大主とは、ニライカナイの主神。 聖なる他界(常世の国)にはニライ大主がいる。 (※ここまでが比嘉康雄氏による「島人の他界観」) そのニライ大主を代々司るが魚根家(イン二ヤー)。 拝所には、猿田彦を思わせる下駄と杖が祀られている。 それは本当に猿田彦大神のレガリアなのか。 誰かに聞こうにも、 魚子家とニライ大主(神役)は途絶、 ニライ大主が司祭した祭り(どれも行列するお祓い神事)を、 リアルタイムで見た人も、由来を語る人も既にいない。 それでも、ニライ大主は猿田彦のことであり、 渡来神であり、最高の国津神であり、 地主神であり、つまりアマミキヨである。 それゆえ、岐(くなと)の神、先導神でもある。 そう考える根拠のひとつに、 アカララキ(曉の御嶽)がある。 王と聞得大君の一行は久高島行幸の際、 この港(ちみんとぅまい)に着くとアカララキに参詣した。 まさに「神の島」を守る地主神、 そして先導神である。 またテーラーガーミ(男たちによる太陽の祭り)で、 お祓いの行進の出発地点になるのも、この御嶽。 アカララキの下の港は、王府時代の大君の港。 遠く正面に、本島側にある斎場御嶽が見える。 ![]() ところで、アカララキに 座す神は太陽神であり、龍蛇神でもある。 アカララキは、出雲大社の龍蛇神 の小祠と似ていると語り部は言った。 私にもこの神体石が、トグロを巻いた蛇に見える。 ![]() こちら出雲大社「神在祭」。稲佐の浜で迎えられた龍蛇神。 絹垣(きぬがき)という白幕で囲われつつ大社へ進む。 一昨年の神在祭の夜、出雲地方で流れたTVニュースより。 ![]() さて、猿田彦に関して、 語り部がまたひとつ重大なことを思い出した。 郷土芸能『長者の大主』にまつわる話だという。 「あの劇に、ニライ大主が登場するのですよ」 私は観たことがないが、 南城市指定の指定無形民俗文化財になっている。 「沖縄の各地にある芝居ですね、夏祭りで演る」 「ニライ大主は長者の前に現れ、 アマスのアマミツに授けた五穀の種を 与えて、作り方を教えるんです。 『百名の長者の大主』ではギレー大主ですが、 あの神様がニライ大主、つまり猿田彦大神なのです」 なるほど… 太陽の霊力を継いだ渡来海人族の祖先神は、 海においては龍宮神であり、 陸においては稲荷神だった。 そう言えば… 各地の稲荷神社には猿田彦大神が祀られている。
by utoutou
| 2015-02-09 19:13
| 久高島
|
Trackback
|
Comments(0)
|
![]() by utoutou
カテゴリ
全体 ミントングスク 久高島 イザイホー 玉城 語り部 城(ぐすく) 天孫氏 御嶽 スサノオ 出雲 神社 琉球の神々 伊勢 洞穴(ガマ) 龍蛇神 ヤマトタケル お知らせ 天女伝説 斎場御嶽 ナーワンダーグスク 石垣島 九頭龍 瀬織津姫 琉球の玉 舜天 琉球王 グスク・御嶽 最終章 未分類 最新の記事
以前の記事
2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 2023年 05月 2023年 04月 2023年 03月 2023年 02月 2023年 01月 2022年 12月 more... 画像一覧
最新のコメント
最新のトラックバック
検索
記事ランキング
ブログパーツ
フォロー中のブログ
ブログジャンル
外部リンク
ファン
|
ファン申請 |
||