鹿屋野姫(=野椎神)は、大山祇神との間に 足名椎と手名椎という一対神をもうけた。 野椎神(のづちのかみ)と同じ、 「椎(つち)」の2文字を含んだ神名。 椎とは土、そして、ツチノコのツチ(蛇)。 いっぽう「槌」にも通じるならば、 打出の小槌を持っていたのは大国主神だった。 いずれにしても、この極東に 位置する列島に先着した海人族の祖神だ。 足名椎と手名椎の末娘・奇稲田姫(くしなだひめ) は須佐之男命(すさのおのみこと)の妃となったが、 その『八岐大蛇(やまたのおろち)』と同様、 出雲系神社ではお馴染みの伝説『蘇民将来』 も「茅の輪くぐり」の由来であることは見逃せない。 ご存じ『蘇民将来』は 『備後風土記』や『参宮名所図絵』に残る、 スサノオが嫁探しに龍宮へ行く途中、泊らせて もらったのが貧しい蘇民将来の家だったという民話。 スサノオは無事結婚して8人の子をもうけ、 蘇民もスサノオの言う通り「蘇民将来」 の札を魔除けとして家に掲げたところ、 その子孫は繁栄して長者となったという。 各地で見かける「蘇民将来」の注連縄。 こちら伊勢神宮近くの民家で撮影。家のご主人は、 「毎正月に買って年中下げている」と言っていた。 「意味は知らないけど、昔ながらの習わし」だと。 ![]() さて『蘇民将来』伝説には、 「茅の輪」という後日談がある。 再び蘇民将来のもとを訪ねたスサノオは、 「茅で輪を作り腰に付ければ病気にならない」 と、今度は教えた。 この「茅の輪」の規模が大きくなり、 江戸時代になると、罪や災いを取り除く 「茅の輪くぐり」の神事が各地に広まったという。 夏越大祓式(なごしのおおはらえ)として載る。 ↓「茅の輪くぐり」の写真も同HPから拝借。 ![]() 沖縄・久高島でも、春秋の祭り 「ハンジャナシー」では、神女たち がスバ(ススキ)で島をお祓いして歩いた。 ↓ 現在も久高島はススキがいっぱい(昨12月撮影)。 ![]() 古来、人々は茅萱(ちがや)に強い霊力を感じた。 硬い地表を突き破って芽を出す茅の力 で罪や穢れを祓い清め、厄災を免れようとした。 またその霊力をもって、野椎神は野のすべてを司った。 その子・足名椎と手名椎は、沖縄玉城の田植え行事 「親田御願(うぇーだのうがん)」で謳われる神歌 (『天親田のクェーナ』)に登場する一対神である。 その歌を初めて聞いてから数年、 きょう、ようやくそのことに気がついた…。
by utoutou
| 2015-03-19 21:10
| 神社
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