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稲作と龍神 2⃣ 琉球の大水田地帯

田植え神事の神歌
「天親田(あまうぇーだ)のクウェーナ」。
歌詞には、琉球の古代を紐解く鍵が
秘められているが、その前に
この地を聖なる大水田地帯とした
類い稀なる地形を見てみたい。

稲の収穫時期となる初夏、
琉球の国王と聞得大君が、
この地に行幸した史実が残る
受水走水(うきんじゅはいんじゅ)。

稲作の条件となる良質の水は玉城台地
(現在は琉球ゴルフ倶楽部)から、
この東海岸一帯に注ぎ、百名海岸へと流れ出る。  
その地こそ、琉球の始祖が海から
上陸した場所でもある。



↓ 海中にアマミキヨ上陸の碑
ヤハラヅカサが立つ百名の海。
昨日は潮が引き、砂浜から20mほどの
水中に立つ石碑まで歩いて行けた。
潮の状況によっては、海中に没する日もある。
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↓ アマミキヨが上陸後に仮住まいした
と伝わる 潮花司(しょっぱなつかさ)。
左の石段を下りると、ヤハラヅカサが立つ海が広がる。
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ヤハラヅカサから、
稲作の聖地・受水走水は500mほどの距離。
水と稲の聖地は、実に一体となっている。   
現在も「潮花司」の脇から、遊歩道で繫がっている。
稲作と龍神 2⃣ 琉球の大水田地帯_a0300530_7324644.jpg


↓ 潮花司のすぐ山側にある浜川御嶽。
屋根付きの拝所がある。
しかし、本来の威部(いび)は
その右の河口だと、語り部は言う。
石造りの水口も、いまは枯れているが、
往古、ふんだんな水量が海に注いだことが偲ばれる。
稲作と龍神 2⃣ 琉球の大水田地帯_a0300530_731467.jpg


この地形が琉球の「親田(あまうぇーだ)」
と、呼ばれることになる田んぼを生んだ。
よって琉球王朝の田植え神事「親田御願」の歌詞は、
冒頭こう始まるのである。

♪阿摩美津が始みぬ
エー、アマウェーダヨー

アマミツとは稲作の祖・天祖(家)のアマミツ。
アマミキヨの末裔。
アマミキヨは稲作技術を携えて渡来した
のだと、神歌は謳っている。




by utoutou | 2015-03-25 01:38 | 玉城 | Trackback | Comments(0)
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