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稲作と龍神 4⃣ 新たなる謎解き

沖縄稲作の聖地・受水走水(うきんじゅはいんじゅ)
で、古来行われた「親田御願(うえーだのうがん)」。

クウェーナとは古謡形式のひとつで、
いわば豊穣の予祝い歌。
豊穣の実現を約束するように、呪術的に、
かつ稲作の作業工程を叙事詩的に歌い上げる。
              
そもそも「天」の字が古代海人族を思わせるが、
歌詞の最後の1行が気になり、語り部に聞いた。
                
「“大(うふ)ま積(じ)ぬんいしてぃ”とは
どんな意味ですか?」

『天親田のクウェーナ』の最後半の歌詞はこうだ。

〜大屋(うふや)ぬ縁までぃ積(ち)ん余ち
  あしゃぎぬ端(はぢ)までぃ積(ち)ん余ち
  大(うふ)ま積(ぢ)ぬんいしてぃ〜

語り部は言った。
「“ま積(じ)ぬん”とは、積むこと。
“いしてぃ”とは、ドッシリと置くこと。
刈り取った後の稲を山のように積む、
それが豊作の象徴だったのでしょう」
  
私は、気になっていたことを口にした。
「それが、まさに大山積神の神名の由来では?」
  
「…そうだと、思います。
大山積神は龍神、そして山の神、田の神。
高地の水源地から龍神のように降りて来て、
親田に豊作を呼び込む神とは、大山積神。
つまり大山祇神は、
琉球の地で崇められていたのだと思います」
 
この会話から、
また新たなる謎解きが始まったのだった…。



親田で行われた今年の御願から
約1ヶ月経った20日、
苗は順調に育っているようだった。
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幅10mほどの親田だが、王府時代には、
親田での神事が終わっ初めて、
各地でも田植えが始まったという。
収穫は初夏で、沖縄の稲作は2期作となる。
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こちら受水の拝所。
その左手前も親田。
ただし、親田御願の行事において
こちらでの田植えは、戦後になって省略された。
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by utoutou | 2015-03-29 03:46 | 玉城 | Trackback | Comments(0)
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