沖縄稲作の聖地・受水走水(うきんじゅはいんじゅ) で、古来行われた「親田御願(うえーだのうがん)」。 その神歌が『天親田(あまうぇーだ)のクェーナ』。 クウェーナとは古謡形式のひとつで、 いわば豊穣の予祝い歌。 豊穣の実現を約束するように、呪術的に、 かつ稲作の作業工程を叙事詩的に歌い上げる。 そもそも「天」の字が古代海人族を思わせるが、 歌詞の最後の1行が気になり、語り部に聞いた。 「“大(うふ)ま積(じ)ぬんいしてぃ”とは どんな意味ですか?」 『天親田のクウェーナ』の最後半の歌詞はこうだ。 〜大屋(うふや)ぬ縁までぃ積(ち)ん余ち あしゃぎぬ端(はぢ)までぃ積(ち)ん余ち 大(うふ)ま積(ぢ)ぬんいしてぃ〜 語り部は言った。 「“ま積(じ)ぬん”とは、積むこと。 “いしてぃ”とは、ドッシリと置くこと。 刈り取った後の稲を山のように積む、 それが豊作の象徴だったのでしょう」 私は、気になっていたことを口にした。 「それが、まさに大山積神の神名の由来では?」 「…そうだと、思います。 大山積神は龍神、そして山の神、田の神。 高地の水源地から龍神のように降りて来て、 親田に豊作を呼び込む神とは、大山積神。 つまり大山祇神は、 琉球の地で崇められていたのだと思います」 この会話から、 また新たなる謎解きが始まったのだった…。 親田で行われた今年の御願から 約1ヶ月経った20日、 苗は順調に育っているようだった。 ![]() 幅10mほどの親田だが、王府時代には、 親田での神事が終わっ初めて、 各地でも田植えが始まったという。 収穫は初夏で、沖縄の稲作は2期作となる。 ![]() こちら受水の拝所。 その左手前も親田。 ただし、親田御願の行事において こちらでの田植えは、戦後になって省略された。 ![]()
by utoutou
| 2015-03-29 03:46
| 玉城
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