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稲作と龍神 ⑩ 白玉稲荷はシロミキヨ?

伏見稲荷大社境内の御膳谷(ごぜんだに)。
四つ辻を過ぎ、あと30分ほど登れば、
稲荷山の頂上に着くというところで、
雨も降り出したせいか、参拝客はいなくなった。

ひとり山の中で、
明治期に寄進されたという
無数ある私的なお塚群を見ていると、
ちょっと生々しい神気に、腰が引けた。
ワタシハナニヲシニキタンダッケ。 

祈祷殿の近くで、白玉大神のお塚を探す。
御膳谷にある白玉大神(6基)はすぐ見つかった。


↓ そのうちのひとつのお塚。
神名は注連縄に隠れて見えないが、ミニ鳥居には
「白玉大神」「白鬚大神」と手書きされた神名が。
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で、奉拝所で禰宜さんに聞く。
「白玉大神の白玉は、どのような意味ですか?」

唐突な質問だったか、禰宜さんは戸惑われた様子。
とはいえ、丁寧に教えてくれた。
「白は清浄の色なので、白狐、白龍、白山など、
神様の名前としても多いですね。白玉も同じです。
で、玉となると、白い勾玉のことかもしれません」
「勾玉のことですか…」
「紅白のお餅を木の枝に付ける小正月の行事、
あれも白玉大神様にちなんでいると思います」

そう言えば、語り部も、ヤマトの繭玉神事の元は
沖縄の田植え神事やイザイホーの米団子だと言った。
ただし、禰宜さんは沖縄のことは知らないと言う。

要するにと、下山しつつ禰宜さんの話を反芻。
各地に勧請された白玉稲荷神社とは、
稲荷神・倉稲魂(うかのみたま)の聖なる勾玉(魂)。

そこで思い出したのは「うか」の意味だ。
それは古語で龍蛇を表す。
出雲大社の奥宮・素鷲社(そがのやしろ)
の背後に控えるのは宇迦(うが)山である。

すると倉稲魂(うかのみたま)は、
龍蛇神の御魂という意味にもとれる。
それが白玉稲荷神の本来の姿ではないか。



というわけで、夕方、神戸の祇園神社へ。
素戔嗚尊と櫛稲田姫を祀る。
移動しながらの検索で、
摂社に白玉稲荷社があると知った。
それも、伏見稲荷大社から勧請されたという。
稲作と龍神 ⑩ 白玉稲荷はシロミキヨ?_a0300530_14183889.jpg


本殿の奥に摂社が並ぶ。
↓ 右が白玉稲荷神社。左が市杵島姫命社。
白玉稲荷社には「倉稲魂命」と筆書きが。
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参拝した後、真新しい神名を見上げる。
あらっと思う。白玉が瞬間「皇」に見えた。
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語り部が常々言っていたものだ。
「シロミキヨの白は皇(すめらみこと)の白」だと。
亦の名はシネリキヨ。
シネとは稲のことである。
アマミキヨの一対神・シロミキヨが白玉大神か?


境内には猿田彦社もあると、後に知った。
隠れているが写真右手に。
シロミキヨは猿田彦大神とも言われる。
稲作と龍神 ⑩ 白玉稲荷はシロミキヨ?_a0300530_14252539.jpg

by utoutou | 2015-04-07 08:45 | 玉城 | Trackback | Comments(0)
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