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稲作と龍神 ⑪ シロミキヨの高天原

沖縄の始祖・アマミキヨとシロミキヨ。
シロミキヨの末裔はやがて黒潮に乗って
北上、各地で白玉稲荷神を祀った…
というのが前回までの推理。

ふと思い、再読して、自らに
突っ込みたくなるくだりがあった。
祇園神社の摂社・白玉稲荷社での感想。

〜白玉が瞬間「皇」に見えたとき、
語り部が常々言う言葉を思い出した。
「シロミキヨの白は皇(すめらみこと)の白」〜

そして、いまはこう加筆したい。
白玉の玉は、皇の降臨した地を意味するかと。

田植え人に神職が白玉団子(しちじ、みすじ)
を押す儀式「親田御願」の行われる受水走水。
その上にそびえる大岩は、
古来「タカマシカマノ御嶽」と呼ばれる。
近年まで、地元での亦の名は
「高天原」あるいは「高千穂の峯」。


いま、その呼称を知る人は多くないが、
語り部が出会った戦前生まれの神女おばあたちは、
皇祖・皇高産霊神(たかみむすぴのかみ)が、
そして、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が、
↓この写真右の磐座に降臨したとの口伝を残した。
稲作と龍神 ⑪ シロミキヨの高天原_a0300530_1784582.jpg

ちなみに、「高天原」から
アマミキヨの到着地・ヤハラヅカサまで、
地続きの一帯は、浦田原と呼ばれる。

高皇産霊神とシロミキヨは、
はたして同系統の神なのか。

アマミキヨとシロミキヨについて、
ミントングスク近くに住む古老は言った。

「アマミキヨとシロミキヨは、琉球神話では
一対の男女神と語られるが、夫婦神ではない。
アマミキヨ(族)、シロミキヨ(族)と呼ばれた
渡来族がいた。彼らは別々のところから来た。
その順番はシロミキヨ、アマミキヨである」


日本書記」では、高皇産霊命と書かれる。
(「古事記」では、高御産巣日神)
ヤマト神話によれば、その娘・栲幡千々姫と、
天照大神の御子神・天忍穂耳命が結婚して
生まれたのが天孫・瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)。
つまり、高皇産霊神は天孫の外祖父に当たる。

シロミキヨが、もし高皇産霊神の系譜にある神
ならば、沖縄最古の王朝と言われる天孫氏王朝に、
含まれる「天孫」の2文字が、真に迫ってくる…。


沖縄の「高天原」と呼ばれた御嶽を分け入り、
進むと、建立者不明だが「天武の墓」がある。
(中央下に写る小さい石碑)
稲作と龍神 ⑪ シロミキヨの高天原_a0300530_17345237.jpg



↓ 沖縄中部の浜比嘉島にある御嶽・シルミチュー。
こちらもシロミキヨを祀ると伝わるいっぽう、
巷間「皇室にゆかりの霊廟」とも囁かれる。
稲作と龍神 ⑪ シロミキヨの高天原_a0300530_1872876.jpg

by utoutou | 2015-04-09 22:09 | 玉城 | Trackback | Comments(16)
Commented by Misaki 7677 at 2015-09-29 19:16 x
飛騨皇統初代スメラ命である大淡上方様の長男が山本住命といい猿田彦命はその子孫、次男が山下住命といい大山住(大山祇)命はその子孫。三男末っ子が直系命といいサヌ命(神武帝)まで39代続きました。淡上方様が15代、ヒルメ貴(天照大神)が35代目です。琉球・奄美などには圧倒的に大山、髙木(例えば榊、辻、横山など)、饒速日系の姓氏が多いので初めて沖縄に渡ったのは飛騨皇統皇祖皇孫と天孫族(アビコ族)だと思われます。九州も同様です。その後に稲荷信仰の秦氏が渡来しています。猿田彦命は「作田毘古」と言われ、稲、銅鐸、阿波国の藍栽培などにも関係が深い大海洋氏族です。但馬、湖西、伊勢にも痕跡が残ります。
Commented by utoutou at 2015-10-05 07:50
> Misaki 7677さん
こんにちは。改めて『明らかにされた神武以前』を開き、
大淡上方様の系図を拝見しました。こちらの大淡上方様が、
一般に天御中主命と観念されている神様なのでしょうか。

沖縄に渡ったのは飛騨皇統と天孫族、
猿田彦は大海洋民族…改めて記憶に留めたいと思います。

ところで、古代に神事を司った女性が着ていたと思われる
衣装が、飛騨に残っていませんでしょうか? 
かつて沖縄久高島にニライウフヌシという神役がいて、
猿田彦の霊力を継いでいたと一部で考えられていますが、
「神事のときの衣装は飛騨と同じもの」と伝わっています。
確か、白地に太陽と麦の絵柄だったと思います。
よろしくお願いいたします。
Commented by Misaki7677 at 2015-10-06 00:14 x
残念ながら、神事の時の衣装は見当たりません。
でも「飛騨と同じもの」という言い伝えがあると知り、とても興奮しております。
完全に飛騨皇孫・天孫が沖縄と繋がったと考えられませんか?
沖縄には髙木命、思兼命、饒速日命、大山住命らに関係する姓が物凄く多く残るそうです。
「剣根の古代史」さんのブログがありますよ。検索してみて下さいね。
それから天御中主は大淡上方様に当たるそうです。
阿波には三木家の忌部の「荒妙」の他に、「絹妙」という天皇新即位式の時に着る衣装が「岐阜から来た」という言い伝えがあるそうですよ。
九州平定後大乱までは九州大和が御毛沼命により統治されていたはずです。
記紀は黙して語りませんが。
Commented by utoutou at 2015-10-10 10:11
> Misaki7677さん

こんにちは。ご連絡が遅くなって申し訳ありません。
神事の衣装についての情報をありがとうございます。
そうですね、飛騨と沖縄の繋がりはたいへん濃いものと思います。

沖縄諸島のノロら神女の方々の衣装については、
いろいろな記録がありますので、こちらについてももっと調べてみたいと思っています。
Commented by Misaki7677 at 2015-10-23 12:54 x
こんにちは。豊前英彦山、加賀白山には必ず白山神。満州ツングース信仰の「白(ぱく)信仰」です。神仏習合により「白山権現」と呼ばれる豊前の「白山・小白山」信仰は、古代朝鮮の始祖・檀君の降臨神話に繋がる支那や朝鮮の「太白山・小白山」信仰。
 加賀白山の開山は秦氏族・泰澄(法澄、阿牟公人足)だが、「元享釈書」に、「泰澄の母は、白玉が体に入る夢を見て身籠った」とあるそうです。
この白玉は明確に「朝鮮神話の卵生神話」である事を示します。
つまり、沖縄の白玉も秦氏に関係して居ます。
だから、東京の椿山荘に安曇姓の藤田さんが白魂稲荷を持って行った。
椿山荘の稲荷は京都の下鴨神社の社殿を移築し、翌年稲荷を大社から勧請している。
藤田氏は長州藩の出自。
猿田彦命は天孫と渡来人和邇・海部尾張安曇らの仲裁というより、「共に仲良くやらなくっちゃ!」と諭しているようにも見えるのです。決して渡来人というのではなく。
大山住命、猿田彦命一族は、紀元前に飛騨の淡上方様の命で鈴鹿に降りられ、椿大神社周辺を拠点に展開した飛騨皇孫なのです。
Commented by utoutou at 2015-10-26 17:35
> Misaki7677さん
こんにちは。白信仰は、確かに沖縄でも見られますね。久高島の始祖・シラタルは白太郎と表記されることもあります。何よりシロミキヨは「白」ですからね。
白山信仰と安曇氏・和邇氏との関連はあまり書いたことがありませんでしたが、よいヒントをいただきました。ありがとうございます。
また、藤田財閥の藤田さんが安曇姓だったとは知りませんでした。長州、製鉄、鋳成、稲荷ということで、稲荷信仰をお持ちだったのかと推察していましたが「白魂」なのですね。
ところで、椿山荘の白玉稲荷の横に、広島県の竹林寺から移築されたという三重塔が建っていますが、その地は小野篁の故郷とか。移築は、和邇氏と同族と言われる小野氏を、藤田さんが意識してのことだったのでしょうか?
Commented by Misaki7677 at 2015-10-27 09:17 x
すみません。
藤田氏は和邇氏の代表格の姓のようです。
長州藩士が姫氏・熊氏の末裔ということで「安曇氏」と書きましたが、和邇氏族・小野氏同族でしかも和邇氏の代表格でした。訂正して御詫びします。
浜松市に1000件以上の藤田姓が集中するらしいです。
小野篁は和邇氏同族ですから、藤田氏の竹林寺からの移築は極めて当たり前と言えそうです。
しかし和邇氏と秦氏がこれまた同族だということですね。
出雲氏族と和邇氏、秦氏、安曇、尾張海部氏、賀茂氏、船木氏、度会氏、大神氏、三輪氏(多氏)らの縁戚関係が複雑で頭を悩ませる毎日です。
こちらを紹介させて頂きます。http://tsurugine.blog.fc2.com/?mode=m&no=74
Commented by utoutou at 2015-11-03 10:22
> Misaki7677さん
こんにちは。返信が遅くなり失礼しました。
藤田さん、やはりそうでしたか。ありがとうございます。
昨日UPした記事ですが、たまたま仙台の竹駒神社へ参ったら創建由緒が小野箼。
こちらで話題になったところだったので「アラ…」という感じでした。
それも秦氏の創建した伏見稲荷からの勧請で。
伏見には稲荷以前の御嶽信仰があったのではと考えていたのですが、
東北の稲荷神社も同じようなプロセスを経たのではと思ったことでした。
Commented by Misaki7677 at 2015-11-03 14:34 x
奥州藤原氏、伊達氏に関係が深い地ですね。藤原=秦を強く感じます。伊達は「イダテ」で韓神・イソタケルの事ですから、この地は和邇氏、藤原氏、秦氏総揃いという感じです。松尾芭蕉も秦氏族ですし、「神宮寺」ともいえる「竹駒寺」は近江国の「橘忠望」の子・能因法師(橘永愷・たちばなながやす)
が開祖。「橘」と言えば藤原氏。飛騨地方も含め「蝦夷、土蜘蛛」などは、渡来人出雲政権にまつろわぬ人々の事。大和朝廷は実質出雲族(渡来人秦氏・和邇氏・藤原氏ら)のもので、本来の日本人の朝廷ではない事を知る縄文日本人は到底従う事は出来なかった。
東北十三湖湊に栄えたアラハバキ王国(東北大和国)は、神武とウマシマジが相談の結果「殺した事にして東北に流した」長髄彦らが建てた国。
秦氏の新羅明神神社や権現神社、八幡神社、稲荷神社が建てられる前には必ず「神宮寺」が建てられ、山岳修験道山伏が寺を建てたりしています。全国的です。多度大社もそうですね。
秦氏同族により神仏習合神が広められました。
それまでは山や磐座などが御神体でしたが、その地に進出した秦氏らはそこに神宮寺を造りやがて韓神神社を建てました。
延喜式神名帳に記載させ、租税の三分の二を懐に入れたといいます。
天皇は何の権力も持たず渡来氏族に逆らう事さえ出来ませんでした。
武烈天皇は飛騨皇統を尊重しましたが暗殺されてしまいます。
出雲秦氏同族(祖はイソタケル=小彦名)は伊勢神宮にヒルメ貴を封印しました。
饒速日命も封印しました。
すみません。まとまりのない事を並べましたが、記紀は出雲同族の秦氏、多氏、藤原氏らが書きました。秦氏僧侶道慈も関わりました。
稲荷とは鋳成、製鉄氏族=渡来氏族です。
豊受大神とはアジスキタカヒコネ命=イソタケルです。
Commented by utoutou at 2015-11-08 15:41
こんにちは。こちらに竹駒寺のことを書いていただいていたのですね。
竹駒神社へまっしぐらだったもので、竹駒寺は素通りしてしまいました。
アラハバキ王国…五所川原ですね。今度時間があれば行ってみたいです。縄文の色合いが濃くなるのでしょうね。
歴史の秦氏あり…ですね。藤原と秦氏について同感です。
実は今回の東北ではもう一社、塩竈神社へ参りましたが、そうすると、東国三社や安房へも参りたくなり、そのつながりで忌部が気になり…となると、また秦氏が出て来る…といった感じで興味が繋がって行った次第です。こちらも、とりとめもなくなりました。笑
Commented by Misaki7677 at 2015-11-09 19:38 x
こんばんは。
私はtwitterをやってますが、お宅様のブログを投降させて頂く事は厳禁なのですよね?
余りにも緻密な考証がされているので、もっと皆さんに知って頂けたらと思いますので。
私のツイートに引用させてもらえればいいのになあと思う記事もめいっぱいです。
Commented by utoutou at 2015-11-12 18:34
> Misaki7677さん
こんにちは。twitter…いやいや、こんなんでよろしければ投稿してもらって大丈夫です。
考証と言われますと不甲斐ない感じです、学習しながら書いているという程度で。
自分にない発想で考えるきっかけをいただいて、いつもありがとうございます。
Commented by Misaki7677 at 2015-11-12 19:52 x
こんばんは。
ツイートに引用の許可を頂きまして、嬉しいです。
沖縄のお話を初めて知って古代史の奥の深さにつくづく驚嘆しています。
私は当初は、海部氏の出発点は大宜都比売の阿波の海陽町かと思っていましたが、琉球列島も考慮に入れないとダメなのかなあとも。
南方熊樟のウカのミタマの記事はとても有り難かったです。
日々研究ごっこですが、答えは中々出ません。
またの御指導お願いします。
失礼します。
Commented by utoutou at 2015-11-19 12:55
> Misaki7677さん
こんにちは。返信が遅くなり、すみません。
そうですね、海部氏の出発点は安房と言われますが、
沖縄から黒潮に乗って北上したという仮説のほうがが自然だと思っています。
実はそのことを示す何かも見つかりそうです。
もう少し時間がかかりそうですが…。私自身も楽しみにしています。
Commented by KINA at 2021-07-22 13:34 x
南城市の宿「K坐」のN野さんからお話あったと思いますが、仲村渠ミントンの分家筋の者です。
コロナでなかなかお会いできずですが、次沖縄にいらっしゃる際にお会いできればと思います。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
Commented by utoutou at 2021-07-23 07:52
> KINAさん
Nさんからお話を伺っておりました。先月玉城にお邪魔したのは、ちょうど大雨の日で御嶽廻りは諦めましたが、Nさん通じて、ご連絡を差し上げてみたらよかったですね。次回は是非に。仲村渠や百名のことをいろいろ教えていただけると嬉しいです。こちらこそ、今後ともよろしくお願いいたします。
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