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ヤマトタケル ㉗ 大国主と天日槍 〜 大国魂神社

大国魂神社(東京都府中市)に参拝した。
目的はまず↓隋神門を守る大黒天に会うこと。
数年前に改築なった新門が、陽に映えていた。
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隋神門の表側には、右に隋神の豊磐間戸命、
左に櫛磐間戸命が奉納されている。

その裏(本殿側)の向って左に、大黒天が立つ。
右は事代主で、東西を出雲の神様が固めている。
ヤマトタケル ㉗ 大国主と天日槍 〜 大国魂神社_a0300530_7305635.jpg



語り部曰く、大黒天には隠れた神がいる。
またの名は、国堅大神(くにかためしおおかみ)。
どこかで聞いた名だと思ったら、
酒折宮についての話に出てきた神様だった。

酒折宮の御神体はヤマトタケルの火打袋(石)。
彼は草薙剣と同様に霊験あらたかなその神石を、
返歌の上手だった「火焚きの翁」に授けた。

「返歌が上手いからといって、なぜ火打石を?」
聞くと、語り部は言った。
「翁が、国堅大神の子孫だからでしょう」
「国堅大神? どなたですか?」
「大国主、大物主、大巳貴神、猿田彦、そして…」
「そして…?」
『日本書紀』の最初の天地開闢に出てくる
国狭槌尊(くにさつちのみこと)、さらに…」
「さらに…?」

あのときは、私の理解が追いつかず、
後半の神名については書けなかったが、
語り部はこうも言ったのである。
「国堅大神とは、天日槍(あめのひぼこ)
の祖先にあたる神様かもしれません」

天日槍とは、垂仁の時代に渡来した新羅の王子。
その渡来神の祖先が国堅大神ならば、
大国主もまた渡来神ということになる。

天日槍は、製鉄などの技術を伝えたと言われ、
出石神社(但馬国一の宮)に祀られている。

いっぽう、国堅大神は、
『播磨風土記』に見える大国主の別名という。
その播磨国と但馬国は、南北に隣接していた。

ならば、国堅大神が天日槍の先祖
にあたる物理的な必然はありそうだ。

思えば、ヤマトタケルの母(景行天皇の妃)は、
播磨稲日大郎姫(はりまのいなびのおおいらつめ)。
ヤマトタケルも、国堅大神の血を引いているのか? 



大国魂神社は、大国魂神(大国主)が主祭神。
左右の相殿に、武蔵国の著名六社が合祀されている。
別名・六所宮とも呼ばれる大国魂神社の本殿。
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本殿奥にぐるりと鎮座する
摂社の佇まいとパワー感が素晴らしい。
ことに拝殿の右横(西)に位置する
こちら……住吉神社・大鷲神社。
15時過ぎの太陽を背に、どこか凛々しい姿。
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鳥居横の説明板によれば、
祭神は、表筒筒男命、中筒男命、底筒男命、
そして、大鷲大神。

住吉神社は、大阪府の住吉神社からの勧請、 
大鷲神社は、大阪府の大鳥神社からの勧請。


住吉神社本社の祭神には神功皇后もいる。
神功皇后の出た息長氏の始祖は、
他でもない天日槍。
大鷲大神とは、ヤマトタケルのことである。
こうして合祀された神社には、
出雲というよりも、海を股にかけた
古代海神族の神威が漂っている。



右の赤い建物が、拝殿横の祈祷受付所。
住吉神社・大鷲神社は本殿エリアの北西にある。
北西=玄武が表すのは、冬そして夜。
ここにも隠れた海の神がいるように感じる…。
ヤマトタケル ㉗ 大国主と天日槍 〜 大国魂神社_a0300530_1732193.jpg

by utoutou | 2015-07-19 21:44 | ヤマトタケル | Trackback | Comments(2)
Commented by のぶどう at 2015-07-21 09:48 x
明日から「島根県立古代出雲歴史博物館」で特別展
東アジア交流の盛華 琉球王国
あるみたいです。
http://www.izm.ed.jp/cms/cms.php?mode=v&id=243
既にご存知かも。
Commented by utoutou at 2015-07-22 22:32
> のぶどうさん

こんばんは。
古代出雲歴史博物館のサイトを見ました。知りませんでしたので、お報せ有り難かったです。
東京在住なので、いま出雲まではなかなか行けず…図録を取り寄せようと思っています。
ありがとうございました。
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