仙台市宮城区岩切にある青麻(あおそ)神社。 御祭神は 天照大御神(あまてらすおおみかみ) 月読神(つきよみのかみ) 天御中主神(あめのみなかぬしのかみ) 日月星を祀る三光宮の総社という。 東北に行くことがあれば参りたいと思っていた。 案内板によれば、創祀は852年。 現社家の遠祖・穂積保昌が山城国からこの地に来て、 里人に麻の栽培を教え、一族の尊崇する日月星の 三光神を、この清水湧く岩窟に奉祀したという。 日月星辰を崇めた琉球王朝と、深層で繫がりそうだと 思っていたが、拝殿に向かい、なるほどそうか…と。 社紋に描かれた麻の葉が6枚、六芒星を象っている。 やはり物部に所縁の神社なのだなあ…と思う。 沖縄にも、旧約聖書に由来したと思われる風習が多い。 六芒星は、ダビデの星、カゴメ紋とも呼ばれる。 昨秋、伊雑宮に参り、伊勢神宮の御幸道路に点在する 六芒星の灯籠について書いた(こちら)のを思い出す。 こちら青麻神社の御由緒には、 現在の社家を十代遡る鈴木儀衛門が、 神祇伯白川家より神主許状を賜る…とある。 春祭に舞う神楽も、京都神祇白川家より伝習…と。 伊雑宮をはじめ、六芒星の灯籠を何百と造った のも、白川神道(伯家神道)に所縁の人々だった。 その白川神道につながる「三宮信仰」は、 江戸時代(1680年ごろ)に弾圧された。 伊勢神宮の祭神は「日月星」だとの伊雑宮の口伝を 説いた『先代旧事本紀大成経』が江戸で禁書処分となり、 伊雑宮の御師・中村兵太夫が毒殺されたあの事件だ。 その後、大成経と内容の同じ『白河本旧紀』、 いわゆる白川版『大成経』30巻が編纂されたが、 その核心は勿論、日月星の三光神だった。 そうすると、この青麻神社を創祀した穂積保昌 なる人が京都・山城から来たことも深く頷ける。 山城は秦氏の里。その秦氏が創祀した「蚕の社」 こと木嶋坐天照御魂神社が太秦にあり、 境内に、三位一体を表すという三柱鳥居がある。 青麻神社の境内にも御井神社。三井の意味か!? この秋深まる東北の山間で、伊勢や沖縄に 思いを馳せるとは意外だった。 ことに、 「伊勢参参詣曼荼羅」(江戸時代、三井文庫蔵)を。 左に内宮、右に外宮が描かれる。当初、 伊勢神宮は内外ともに「三宮」連棟式だったようだ。 千年以上前、穂積氏が日月星を祀った「鎮守の森」 は、いま広大な「県民の森」に生まれ変わっている。 境内には、いくつもの狛猿と石灯籠が並ぶ。 灯籠にも、丸・三日月・宝珠…日月星があしらわれていた。 ・佐美長神社に祀られる大歳神(ニギハヤヒ)と同神か。
by utoutou
| 2015-11-08 08:52
| 神社
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