熊野では廻りきれなかった神社や、 心残りな神社がいくつかある。 たとえば、熊野本宮大社の産田社。 本宮から旧社地の大斎原に行く途中、 ↓ 左折の案内板を見ながらも、先に右折して 大鳥居に行ったところで、バスが来る時間に…。 産田社には伊弉冉尊の荒御魂が祀られている。 ![]() 35神を生むが、軻遇突智(かぐつち)を生む ときに陰部(ミホト)火傷を負い、神去った。 伊弉諾命は軻遇突智(かぐつち)を斬った。 火産霊命(ほむすびのみこと)とも表記される カグツチは、神倉神社摂社の猿田彦神社と並ぶ 三宝荒神社にも、応神天皇と共に祀られていた。 「三宝荒神は、どんな神様ですか?」 境内にいたお爺さんに聞くと、 「荒神さんは竃の神、鍛冶の神ですよ」 と、教えてくれた。 沖縄の鍛冶神ハニマンガナシーと同じか。 ハニマンガナシーは、 久高島の外間殿にも祀られている。 フーチ(ふいご)の神でもある。 神倉神社のゴトビキ岩へと 登る石段の途中に ↓ 火神社(左)があった。 こちらにも、伊弉冉尊の死から生まれた カグツチが祀られていたのだろうか。 ![]() ![]() さて、旅から帰り2週間ほど経ったとき、 『如件(くだんのごとし)』とは、 アマミキヨ直系と伝わるミントン家の口伝 を窪田道全氏が戦後著した小冊子のこと。 早速、手元の『如件』のページを開く。 A4コピー用紙20枚のうちの5ページ、 モノについての昔話が綴られている。 (要約) ・男のモノを火吹き(ヒーフチャー)と言った ・女のモノのことを、ヒと言った ・燃える火のことを、ホと言った ・火事になると「ホーハイ」と人を呼んだ ・若者たちの無駄話を見ると老人たちは、 「また火火(ホーヒー)の話か」と笑った ・火吹き竹は火に当てるから「火吹き」 ・男のモノも女のモノに当てるから「火吹き」 ・女のことを火と言った ・男のことを彦と言った 語り部は、ちょっと厳かな声で続けた。 「沖縄から熊野に来た古代の民が祀った神は、 ホとヒの神様、天穂日命。 アメノホヒノミコトだと思います」 「天穂日命は出雲の神様だと思ってました…」 「火の一族の祖神ですね」 祖神について、『如件』はこう記している。 〜アマミキヨは女の神様で、夫はソネ彦と 申したようであります。〜 「ソネ彦とは祖根彦」だと、語り部は言った。 沖縄の祖神もまた、「火の神」である。 改めてゴトビキ岩を仰ぐと男のモノに見えた。 ![]()
by utoutou
| 2016-01-22 15:01
| 神社
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Comments(3)
utoutouさん、いつもありがとうございます。
故郷 熊野をご紹介下さり、感謝を申し上げます。 感謝を込めて、熊野スライドショーを貼らせて頂きました。 ご覧頂ければ、嬉しいです。 熊野には出雲国造 千家さんの出雲大社教 新宮教会・玉置教会がございます。 なぜか出雲の大元出版の著書では意味深な部分を感じますが・・・ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%87%BA%E9%9B%B2%E5%9B%BD%E9%80%A0
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> mikumanoさん
こちらこそ、いつもヒントをいただき感謝です。素晴らしいスライドショー、拝見しました。ショップのHPも拝見。奥地の原始風景、美しいです。ブログ内でリンクを貼ってよろしいですか? 出雲大社教の教会、十津川村では、神仏毀釈でお寺が徹底して廃された明治時代から、神葬祭をするために所属するようになったとか。 出雲と熊野の関係は、向家の古伝にいろいろ出ていましたね。これも大元出版さんについて教えていただいたmikumanoさんお陰です。ありがとうございます。千家さん、北島さん、向さん(富家)、神門さん。出雲の旧家のうち、沖縄に痕跡のある家…について昨日分かりましたので、次回記事にしたいと思います。 ![]()
utoutouさん、いつもありがとうございます。
リンクの件、とても嬉しいです。どうぞ宜しくお願い申し上げます。 実はボクは3,4年前まで“サルタヒコさん”については、名前も知らなかったのですよ。 三重の御浜町 神木という場所で初めて庚申塔というものに出会い、“これは何だろう”という事で調べだしたら、“青面金剛さん”だとか“猿田彦大神さん”だとかって出てきちゃって、どちらかというと猿田彦さんに魅かれ出して現在に至ります(微笑)もともと凝り性のボクは集中的に調べだし、気が付いてみたら乱雑な部屋に古代関連本が何百冊と積み上げられています。そのころから複合キーワードで検索するとこちら追跡アマミキヨさんのブログがヒットして、たくさんのヒントをいただきました。熊野の現地に伝わっている事と繋がるヒントがたくさんありました。それからはずっとファンになりまして、楽しませて頂いております(微笑) 熊野という地は、神武東征(真実かどうかはともかく)なんて言葉が残っているように、中心勢力とは逆の側面を持った場所なのだと感じています。 古代日本と渡来人でいえば、原住民の方に近い風習や考え方が残っている場所だと思います。那智や熊野市に鉱山跡が残り、大丹倉には天狗鍛冶の修験者の伝承・・・北山村の水銀採掘のお話。 今日は、神倉神社のお燈祭り・・・所縁の方が全国から集まり、“下り龍”となってあの石段を駆け降ります。いろんな謎が謎を呼び、まだまだ妄想をつないでいく作業は続いていくと思いますが、今後共、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
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