「九鬼(くき)一族は、熊野から加古川へ渡った」 語り部がそう言ったのは、私が熊野への 神社巡りを終えた昨年末のことだった。 九鬼氏は一説には中臣氏の係累で、代々、 熊野神社の別当職にあることは有名だが、それも 後白河天皇の時代に任じられて以来の旧家とか。 中世後期は九鬼水軍、近世は綾部藩として知られる。 その「九鬼」の名を熊野本宮大社の参道で見た。 ↓ 落書きが目立つが、宮司さんの新年メッセージ。 ![]() ![]() ところで、古来、加古川流域だった播磨は、 まさに私がいま注目している摂津国の西隣り。 現在の兵庫県加古川市と高砂市の市境に、 六甲山系に連なる播磨アルプスこと 高御位山(たかみくらいやま)がそびえている。 その頂きこそ、 九鬼一族にとっての霊峰であると語り部は言う。 標高304mだが、ご来光スポットとして人気とか。 ↓高御位山の写真は「全国 観るなび」HPより拝借。 ちなみに、東経134度47分(北緯34度48分)。 ![]() 高御位山の山頂には高御位神社が鎮座しているが、 高御位神社運営委員会発行『聖峰たかみくら』に、 その由緒と伝承が記されている(以下要約)。 ☆地元の旧家より昭和62年に発見された古文書 (大同2年(西暦807年)の記述あり)によれば、 祭神は高御位大明神(大己貴神命と少名彦命)。 ☆その高御位大明神は、大同2年に降臨した (朝廷の宗教改革によって降臨儀式が行われた)。 ☆凝灰岩からなる山頂の磐座は、古代祭祀遺跡。 円形テラスには、灯火用に加工された盃状穴や、 御水址(みもひし)、祓禊趾(みそぎし)などの 祭祀遺構があり、ここが天壇だったことが窺える。 上古、天皇(帝)の即位式はこの山で行われた? 天皇の即位礼が行われる 高御座(たかみくら)の元型を、この高御位山に 見る思いがするのは私だけだろうか。 もし命名の時系列が逆だったなら、不敬のカドで 斬罪されたかもしれない時代もあったのでは? 高御座とは、天皇の玉座のこと。 平安時代から京都御所に安置されており、 平成天皇の即位の礼には自衛ヘリで皇居に運ばれた。 ↓ 即位礼正殿の儀。※朝日新聞デジタルより拝借。 ![]() さて、くだんの九鬼家に家伝として残るという 古史古伝に『九鬼(くかみ)文書』がある。 成立の詳細は不明だが、天児屋根命の時代 に書かれたという神代文字を、奈良時代に 藤原不比等が漢字に直したものだと言われる。 そのなかに、 高御位山と古代天皇の関係に触れた箇所がある。 ※三浦一郎著『九鬼文書の研究』を参照して要約。 〜神武五代の孝昭天皇は即位した後の正月、 天中押別命に命じて高御位山に鬼門八神を祀った。 高御位山は、皇始祖である天御中主天皇の磐座 の在るところ。神国で唯一の霊峰聖地である 〜 ちなみに、孝昭天皇の時代は日本書紀に沿えば 紀元前5世紀だが、編年の捉え方次第ではもっと下る。 また、鬼門八神(宇志採羅根真大神)とは、 天之御中主大神、高御産霊大神、神御産霊大神、 伊弉諾大神、伊邪那美大神、天照大御神、 月夜見大神、建速素戔嗚尊大神。 やはり…天之御中主大神。しかも…皇祖神。 九鬼文書には、その即位の経緯も記されている。 〜(顕生の神)天地萬身光生大神と、 (幽界の神)天地黄泉大神が聖婚して、 天津日嗣の大神である天之御中柱天地豊栄大神 (万国の統治神)が誕生した。この神は、 皇子である天御中主神に皇位を継承した。 ここまで一世24代にして312代、5万年余なり 〜 こうして超古代史に触れると、琉球の「天孫氏王朝 17802年」の数字は、驚くにあたらないと思う。 語り部は、「人類は誕生から9008代」 という神女の口伝を聞いたこともあるそうだ。
by utoutou
| 2016-08-21 09:59
| 瀬織津姫
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Comments(2)
九鬼家は熊野別当家の末裔という説もありますが、九鬼家の関係者が別当職に就いたことはなく、中臣氏後裔というのも定かではありません。確かなのは熊野・九木浦から出た一族であるということのみです。
九鬼文書は、九鬼家と同じく綾部にゆかりをもち、艮(うしとら)の金神を重要視する「大本教」に呼応したものとなっているのも面白いところです。ご存じかもしれませんが、江戸以前の九鬼の家紋は三つ巴紋でした。そして、中世に九鬼水軍が根拠としていた波切城の近くには、真名井と名の付く神社が2つもあって興味を惹かれます。
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> J-TAMANORIさん
返信が遅れまして申し訳ありません。奈良から熊野まで南下したり、高御位山に登ったのは5年も前のことだったかと、懐かしく思いました。波切城の近くの真名井神社とは興味深いですね。高御位山、播磨アルプス、加古川、丹波、綾部…と連想すると、九鬼氏はもともと艮の金神(アラハバキ?)を崇め、最終的に綾部に封印されたのかと思ったりします。逆に言えば、本当の「出雲」族かもしれない、とか、元出雲と呼ばれる京都の出雲大神宮と関連するのかもしれないなどと。出口王仁三郎さんはそのあたりを熟知していたのではないでしょうか。
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![]() by utoutou
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