瀬戸内海を眼下に見下ろしての六甲山磐座巡り旅。 最終日には、日本海を目指すことになった。 神戸で合流した沖縄在住の友人女性と共に。 海神(綿津見神)を崇める家系に育った彼女は、 ちょうど海神族の足跡を訪ねる一人旅の途中で、 福岡の志賀海神社の参拝後、六甲にやって来た。 志賀海神社の沖津宮には天御中主神が祀られている という話から、「それなら丹後へ⁉︎」と話が展開。 古代の国名で言えば、筑紫〜讃岐あるいは阿波〜 淡路〜播磨〜摂津〜丹波〜丹後へ? 私たちは、海神族の移動ルートを思い描いた。 六甲から車で3時間、まず参ったのはこちら。 蛭児神社(ひるこじんじゃ)。 京都府京丹後市久美浜町湊宮にある。この季節、 蟹が旨い観光地*小天橋(しょうてんきょう)にある。 祭神、火遠理命(彦穂穂出見命)と豊玉毘売命。 いわゆる海幸山幸の神話に由緒するという。 いっぽう、この地ならではの由来がある。 (以下、抜粋) 〜蛭児神社は古来、日留居大明神と唱え尊崇されて きた社で、海上安全、豊漁祈念、海運厄除に 御神徳の高い運開きの神様として広く信仰され〜 日留居(ひるこ)大神。始めて知る神名だ。 境内には寛政年間に活躍した千石船の模型も収蔵。 古来、日本海交易の要衝の地だったことが伺われる。 場所は↓こちら(赤星を付けて加工した) 社務所に貼ってあったMAPを拝借。 丹後では、天橋立を東橋立、小天橋を西橋立と呼ぶ。 13世紀まで、蛭子神社が鎮座していたという 四神ケ嶽(しじら)山を遥拝する磐座があった。 摂社の稲荷神社。 祭神は倉稲魂命。18世紀に山城国から勧請。 摂社の大川神社。 祭神は、五元五柱神、保食神、大己貴神、 少彦名神、埴安姫神、大土御祖神。 晴天にも恵まれ、清々しい気に溢れた古社だった が、参った日から何か違和感が拭えなかった。 社殿からも、由緒からも「蛭子」が感じられなかった。 記紀神話の国産みにおいて、 イザナキとイザナミから 生まれ、不具な子だったために葦舟で流された蛭児‥。 海人族はともかく、琉球とは関係なさそうだし‥と、 なかば落胆していたが、今日ようやく合点がいった。 日留居(大明神)には、実は二通りの読み方がある。 ヒルコとヒルイ。思うに、ヒルイは昼に居る神=日神。 その意味のヒルコ大明神ならば、沖縄と大いに関連する。 ヒルコとヒルメ‥‥琉球では、ウミキとウミナイ。 この地には、海神族の兄妹始祖神話が潜んでいるようだ。
by utoutou
| 2016-11-23 05:37
| 瀬織津姫
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