丹後・久美浜に鎮座する蛭児神社の祭神が、 水に流された神・蛭子ではないだろうことは、 よく考えてみれば分かることだった。 古来、その神は「日留居大明神」と称された。 その大明神を、四神ヶ岳の山頂にあった元宮から 遷移したのは、由緒によれば鎌倉右大臣・源実朝。 あの有名な和歌は、その遷宮を詠んだものだった。 〜神風や 朝日の宮の宮遷(うつ)し 影のどかなる代にこそありけれ 〜 国家の祭祀としての遷宮だったことが偲ばれる。 棄てられた蛭子が祭神とは、どうも考えにくい。 19世紀に編まれた「丹哥府志(たんかふし)」も、 〜俗に蛭子と称するは誤なり〜 と記している。 ![]() ところで、 当初の旅の目的地が久美浜・兜山だったのを、 蛭児神社へと変更したのには、理由があった。 沖縄から来た友人とレンタカーで六甲を出た朝、 9時ごろだったか、語り部から電話があった。 私たちは丹波篠山のサービスエリアで休憩中で、 名産の黒豆パンを食べていたが、語り部は言った。 (蛭児神社にまつわる神託の伝言は、以下要約) ☆神社の近くに神戸(しど)という場所がある。 (※調べると、「神戸(しど)の浦」は水門だった) ☆ヒルコ(神社)と同じ語源の地名が全国にある。 四国や九州のヒルマ、関東にも同名地があるようだ。 ☆久美浜湊宮の古名・日間(ヒマ)も同じ意味。 ☆神は、シジラという山から降りてきた。 ☆神は、朝日の宮がある山からも降りてきた。 語り部の話が終わると、私はひとつだけ聞いた。 「ヒルコはアマミキヨと関係があるんですね?」 「あると思います」 というわけで、↓ 蛭児神社(拝殿)。 社務所に宮司さんがいらしたので、話を伺った。 「こちらのご祭神は南方から来た」と話が出たので、 「どれぐらい南方ですか? もしや沖縄?」と質問した。 宮司さんは呆気に取られるように苦笑して仰った。 「いや、そんなに南方ではないでしょう」 ![]() このとき午前11時31分。本殿は南面している。 ![]() ![]() ![]() ![]()
by utoutou
| 2016-11-27 21:28
| 瀬織津姫
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