宗像大社(福岡県宗像市田島)。 祭神は、宗像三女神(宗像大神)こと 田心姫神(たごりひめのかみ、沖津宮) 湍津姫神(たぎつひめのかみ、中津宮) 市杵島姫神(いちきしまひめのかみ、辺津宮)。 神社に着いたのは正午。旧暦正月の元旦とあって、 露天の並ぶ参道は晴れやかな顔の初詣客でびっしり。 と思ったが、参道に立つ紅白の幟は「節分」一色。 旧正月というより新暦の節分を祝うお日柄らしかった。 というわけで、人波を避けてカメラ・アングルは空へ。 さて、 和布刈神社のある門司港駅から、こちら最寄りの 東郷駅まで、JR鹿児島線の中で頭を占めていたのは、 他でもない、比売大神(ひめおおかみ)のこと。 和布刈神社の栞には、次のようにあった。 〜御祭神第一座【比賣大神(ヒメオオカミ)】 別称 宗像三女神 御利益…海上安全・交通安全 日本の代表的な海の神であり、福岡県の宗像大社や 広島県の厳島神社の祭神としてよく知られている。 「日本書紀」には、天孫降臨の際にその道中の安全 を守護するようにと天照大神から命じられたとあり、 そこから海上安全、交通安全の神として 信仰されるようになった。〜 和布刈神社には宗像三女神が祀られている。 当然、宗像大社にも宗像三女神が祀られている。 ↓こちら第二宮(田心姫神)と第三宮(湍津姫神)。 二之御殿の祭神は、比売大神 (多岐都姫命・市杵島姫神・多紀理姫命)である。 宇佐神宮の御由緒は次のように記す(以下要約)。 ☆神代、宇佐島に比売大神が降臨された。 ☆725年に八幡神(応神天皇)を祀り創建された。 ☆比売大神は、八幡神が現れる以前の地主神として 創建の6年後に二之殿に祀られ、崇敬されてきた。 宇佐神宮HPの境内案内を見ていて驚いたのは、 上宮に北辰神社が鎮座していることだった。 参拝したときには気がつかなかった(以下引用)。 〜【北辰神社】比売大神の脇殿といわれ、本宮 の地主神と伝えられる造化三神を祀っています。 上宮中門の中に鎮座しています。〜 地主神は、北辰・造化三神=天御中主神という。 やはり地主神という比売大神は、東南に坐す奥宮 ・御許山の9合目にも祀られるが、ということは… 比売大神は天御中主神に寄り添う星神と、考えられる。 語り部に聞いた口伝が、すぐに思い出された。 「沖縄の御天父親加那志(うてぃんちちおやがなしー) は、ヤマトでいう天御中主神(太一)のことです。 御天母親加那志(うてぃんははうやがなしー)は、 御星親加那志(みふしうやがなしー)ともいって、 星々(北斗七星)を生むお母さん。ヤマトで 後に弁財天とか瀬織津姫と呼ばれる女神のことです」 比売大神とは、沖縄で崇められてきた 御天母親加那志=御星親加那志ではないのか。 思えば、宗像三女神については、石垣島へ行った 際の記事『宗像三女神の龍脈』に書いていた。 宇佐神宮の御許山と、石垣島の於茂登岳は、 宗像三女神の降臨伝承でつながっていると。 その推理が、時空を経て確信に近づいている予感…。 と思いつつ歩いていたら、山上の高宮斎場に着いた。 こちらにも、旧正月と節分を寿ぐ参詣客の列が。 古代祭祀場だった高宮斎場の神籬(ひもろぎ)。 まさに沖縄の御嶽と同じ構造でイビに聖樹が立つ。 高宮斎場の説明板。左には、 沖ノ島の古代祭祀について記されている(以下要約) ☆三宮のなかでも沖ノ島は、今も女人禁制。 ☆常駐する当大社の神職は毎朝海に入って禊をする。 ☆4世紀から600年間、国家規模の祭祀があった。 ☆8万点に及ぶ神宝が出土している(すべて国宝)。 大島の沖津島遥拝所まで行ってみようかと、思う。 こういう気分を「呼ばれた」というのだろうか。 大社から大島フェリーの出る神湊(こうのみなと)まで バスで25分、フェリーに乗って25分。というわけで、 私は大島に渡ることにした。↓神湊フェリー乗り場。
by utoutou
| 2017-02-03 19:38
| 瀬織津姫
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