六甲山と瀬織津姫 170 アシア族の移動

倭国大乱、芦屋市の会下山遺跡、カタカムナ文献…。
琉球との関係を深掘りしたい事柄ばかりだが、ここは
 4月後半の沖縄旅で起こったことを記しておこうと思う。


那覇市牧志の安里川には元気に鯉のぼりが泳ぎ、
語り部には、立て続けに重要なヒントが舞い降りた。
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語り部に会うと、高師小僧(褐鉄鉱)の話になった。
会下山遺跡のある芦屋は、古くは「葦原」や「葦屋」
と表記したと言われるが、ただし、弥生時代の芦屋で、
スズ鉄を焼くたたら製鉄が行われたという記録はない。

酸素に弱い褐鉄鉱は酸化腐食するのが早いため、
遺物として残されることは稀というのがその理由だ。
やがて話は、遺物の残る愛知県の産鉄地へと流れた。

私は言った。
「高師小僧は、豊橋市で生ったスズ(鉄)ですけど、
愛知県の中西部である名古屋市近郊にも褐鉄鉱の地層が
 あるという研究記録があるそうですよ。芦屋で製鉄を
    していたかもしれない海人族と関係がありそうですね」  

「関係はあると思います」
続いて語り部は、質問に転じた。
「熱田神宮の奥宮とも言われる五社大名神社(春日井市)
には、どのような神が祀られていますか?」

すぐにググって、答える。
「祭神は尾張氏の祖神で…大碓尊、素戔男尊、日本武尊、
 菊理比売姫、あと天目一命(あめのまひとつのみこと)」

天目一命、亦名は天目一箇命、天御蔭命、明立天御蔭命。
琉球では火吹き男(ヒーフチャー)とも呼ばれる神。
鍛治神(カニマンガナシー)・製鉄の神である。

春日井市はまさに愛知県の南東部、御祭神から
考えて、海人族が製鉄を行なった可能性は大きい。

「それから、猿投神社というのもありますか?」
語り部が聞く。すぐに調べる。
「豊田市にあります。こちらも祭神は大碓尊ですね」

猿投神社には左鎌(ひだりがま)を奉納する神事がある。
日本武尊の双子の兄・大碓命が左利きだったので左鎌、
という由来。「鎌」とはたたら製鉄族の象徴なのだろう。


景行天皇の皇子である大碓命、小碓命。皇子たちの
名についた「碓」は、「臼」や「火鑽り臼」と同義。
それは「火の一族」の象徴だと、いまでは考える。
久高島の秘された御嶽・国淵山には石臼が祀られている。
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いっぽう、九頭龍伝説の残る戸隠神社奥社(長野県)
の神紋も猿投神社と同じ鎌。鎌卍(かままんじ)という。
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鎌卍の一片の形はタツノオトシゴにも見える。
つまり、鎌とは龍蛇神を表すかたちでもあるか。

「六甲山から尾張(愛知県)へ、また美濃(岐阜県)へ、
通って信濃(長野県)へ。あるいは近江(滋賀県)へ。
いくつかのルートは、六甲山のアシア(カタカムナ)族
が移動した(追いやられた)ルートと考えてよい?」
「はい。アシア族と名乗ったかどうかは分かりませんが」
「では、なんと名乗ったと…?」
「琉球を出た“7つ首の蛇“の船団、セーナナーですよ」

ああ、だから…。諏訪大社の神具は薙鎌と書いたこと
 があった。やはり薙鎌も龍蛇族を表す秘紋なのだろう。

私は既に確信していた。
スズ鉄製の開墾道具・薙鎌。薙=ナーガ=龍蛇族。
薙鎌は八岐大蛇から出た「草薙の剣」と同じ材質だ。

「では、鎌卍の卍とは、どんな意味なんでしょう?」
語り部は迷わずに言った。
「カタカムナ族の子孫。平十字(ひらとうじ)と同じです」

卍=十字。十字に葉の対生した木を見るならあの御嶽に
限ると、私は翌日ひとり久高島に渡ったのだった。


by utoutou | 2018-05-04 13:35 | 瀬織津姫 | Trackback | Comments(0)
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