六甲山と瀬織津姫 175 箕面大滝の龍穴

瀧安寺(大阪府箕面市箕面講演)へは、阪急線箕面駅
 から川沿いの緩やかな上り坂(滝道)を15分歩いた。

箕面山瀧安寺(りゅうあんじ)。
飛鳥時代(658年)に修験道の開祖・役行者が開山した。
箕面大滝で苦行の末、弁財天を感得して悟りを開いた
ことから弁財天のお堂を建立。箕面寺と称したという。


瀧安寺と命名したのは、後醍醐天皇。
山門は光格天皇(江戸末期)が京都御所の門を下賜。
「瀧安寺」と記した扁額は、京都聖護院の座主の作。
山門の先、正面に観音堂が見える。
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観音堂に向かって右手に、箕面川にかかる朱色の
太鼓橋(瑞雲橋)。対岸には本坊や客殿などがある。
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さて、境内を進むと古い石段に出た。中央にしつらえた
赤い手すりの下部には金の勾玉。またもや宝珠が…
ということで、迷わず弁財天堂へと登ってみた。
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境内は、箕面川(右崖下)に沿って奥へと広がる。
 百度石といい、石鳥居といい、神社の佇まいである。
正面は日本最古の弁財天像を安置する弁天堂(本堂)。
左の赤い屋根が大黒堂で、本尊は大黒天と恵比寿天。
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ところで、
役行者が箕面に来た7世紀、瀧安寺の名はまだなかった。
 箕面寺を開いた頃の様子は由緒に見えるが、
これがどうにも謎の多い文章である。

〜西暦658年、役行者が箕面瀧で修行し、弁財天の導きを
受けて悟り宗教家として大成しました。行者は報恩感謝
のもとに、自ら弁財天の像を作成し、瀧の側に祭祀して
箕面寺と称しました。〜

箕面瀧で修行、そして瀧の側に弁財天像を祭祀…?
修行場は瀧上か滝壺か? 瀧の側はどこを指すか?
そんな疑問が浮かんで来るが、開山から
 1400年近く経たいま、瀧の上は箕面ダムとなり、
 修行の場や当初の草庵の痕跡を見つけることは難しい。

ところが、それらの謎を紐解くヒントは、
 ふと開いた『摂津国名所図会』(1796年)にあった。


【箕面瀧】
中央の赤丸(私の加工)に「不動」と記された庵がある。
これが、由緒が語る「瀧の側の祭祀場」なのだろう。
また不動の右上から山頂の「座禅石」まで、登山道がある。
大滝の真上には、「三鈷松」と記されている。ちなみに、
右下の「唐人戻岩」は、現在と同じ位置だと考えられる。
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『摂津国名所図会』には、各所についての絵解きもある。
(要約)
☆三鈷松…瀧の上にあり。ここに役行者の三鈷が掛かった。
☆龍穴…三鈷松の側にあり。岩間に三丈(※3m余)の
大きさで、深淵にして蒼色、その深きこと測りがたし。
☆座禅石…奥の滝の上にあり。行者はここで修行した。
☆白龍石…同じ場所にあり、弁財天が白龍に乗り降臨した。
  ☆天上嶽…箕面山の絶頂。ここで役行者が昇天したという。 



箕面大滝に行った日から約3週間が経つが、きょうまで
 もう一点、私にはピンと来ない語り部の見立てがあった。
こういう話だった。
「箕面大滝の上に、小さな池と小さい祠が視えます。
それは瀧上の龍穴の入口のようです。内部は平らで広く、
さらに何百mか下まで、トンネル状に続いています」
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語り部の話を聞き、瀧安寺では試しに龍穴の出口を探した。
役行者の石像があったので傍らの小祠を覗き見したり…。
確かに中には、井戸らしき囲いが見えたが、大滝から
現在の瀧安寺は大滝から1.6km離れている。
まさかこれではないだろう…と、ひとり苦笑した。
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その疑問についても、いまようやく合点がいった。
『摂津国名所図会』瀧安寺の項目に、次の解説がある。
☆神水…行者堂の傍らにあり、加持水なり。

あれは神水の井戸のようだった。すると、やはり、
龍穴の出口とは、語り部の見る元々の箕面寺の場所か。
いろろいな疑問が少しずつ溶解し始めたいま、
当初、語り部と交わした会話を改めて噛みしめる。

「箕面大滝の上が、アマミキヨ族が落ち着いた場所では
ないかと思います。ところで、箕面の意味は何ですか?」
「大瀧が、農具の“箕(み)”に見えるからだそうです」
「いや、“面”のほうに意味があるはずです」
「面ですか…?」
「竹か何かで編んだ、籠目が見えます」
「籠目…六芒星…ですか!?」


















by utoutou | 2018-06-11 19:50 | 瀬織津姫 | Trackback | Comments(1)
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Commented at 2018-07-07 22:12 x
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