六甲山と瀬織津姫 202 島軸(中心)を探せ

「ウプチマリヤー…国軸・島軸…(を探せ)」
と、語り部は言った。ウブチマリヤーという家には
 人はいないようだけれども二つの香炉が残っていると。


思えば久高島を経つ朝、島の北端・カベール岬へ
日の出を見に行った。御嶽廻りの総まとめという
つもりだったが、あのときは想像だにしない展開に。
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集落内にあったらしい謎の旧家・ウプチマリヤー。
場所は「外間ノロ家から外間殿へ行く道の角あたり」
ということだが、カベール岬に行った帰り、私は
集落に戻って外間ノロ家(ヌン殿内)と外間殿で参拝
したので、まさに語り部の言う道を歩いていたのだった。
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それにしても、ウプチマリヤー。難問だ。
久高島の方言は難しく、屋号の意味は分からない。
島に住む知人に聞いても、「分からない」と言う。
「その近くにウィッシュヤーはあるけど、そこも
もう空き家なので、尋ねることもできない」と。


その場所だけは、東京に戻ってから確認ができた。
『神々の古層 女が男を守るクニ 久高島の年中行事』
(比嘉康雄著)で、刊行('67年)当時の集落図を見る。
それを拝借して、語り部の話をダブらせてみた。

外間ノロ家から外間殿(地図の右上)への道を赤く、
また、語り部の言う「角あたり」を青丸で加工した。
ちょうど、青丸の左上にひとつ空いた区画がある。
そこが、謎の旧家・ウプチマリヤーなのだろうか。
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※集落図は、久高島の祭祀組織系統を説明する
ための資料として掲載・図示されていたものです。


いっぽう、
語り部の言う「島軸・国軸」は、見つかった。
※『神々の原郷 久高島 (下巻)』
〜シマジュク シマの空間的中心という認識がある。
外間殿の下方にある地名。〜
おおむね ↑地図上の青丸のあたりと思われた。


シマジュク、シマジク、島軸…ウプチマリヤーと、
口走りながら、片っ端から「比嘉本」を見ていくと、
↓遂に1枚の写真を見つけた。次の説明がある。
〜新タムトゥのシマジクまわり
(粟の収穫儀礼のときにおこなわれる 1976年)〜

写真を島の人に送り見てもらうと、確かに語り部
 の言う「角」付近を西側から撮ったものだろうと。
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※『神々の古層 女が男を守るクニ 久高島の年中行事』
(比嘉康雄著)より。




「粟の収穫儀礼」の項には、次の一文もあった。
〜 新タムトゥ(60歳以上の神女)のシマジクまわり。
外間殿の下方にシマジクという場所がある。ここは
 島の中心といわれていて、以前は大石があったという。
第一日目の朝ガミ終了後、新タムトゥたちは、先輩
タムトゥのリードで、このシマジクを七回回る。〜

神女たち、シマジク、粟の収穫祭、七回回る…?

ウプチマリヤーなる旧家についてはまだ分からないが、
語り部にとりあえず調べたことを伝えると、言った。
「粟…が、今回の謎を解く鍵になるでしょうね」
「アワ……ですか」












by utoutou | 2019-01-08 21:48 | 瀬織津姫 | Trackback | Comments(0)
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