![]() ニュースを見た頃、語り部も古代船を霊視していた。 「マナシカタマというのは、葦船のことですか?」 という電話が入る。そして、立て続けに言う。 「海幸山幸の神話で、塩土老翁が造って山幸を乗せた 小船は、マナシカタマと呼ばれていましたか?」 「浦島太郎の乗った亀も、マナシカタマでしたか?」 「はい、そのようです」と、私は調べてから言った。 マナシカタマ。 日本書紀に「目無籠」「無目堅間」などとある。 文字通り、目が無いほど固く編んだ竹籠製の古代船。 底に自然タールを塗って海水の浸水を防いだらしい。 それは、カタマランと同じ意味だと考えている。 南太平洋ポリネシアの原住民が造った双胴船。 竹船や葦船を繋げた双胴船もあったらしい。 南洋渡来の海人族だった私たちの遥かなる祖先が、 そのマナシカタマで大海を渡ってきたという記憶が、 海幸山幸のヤマト神話につながったのだとも…。 アマミキヨの渡来したヤハラヅカサとその周辺 の仲村渠(南城市玉城)にも、こんな伝説がある。 「昔々、アマミキヨは竹で造った船でやって来た。 そのため、子孫にあたる旧家では屋根に竹を使った」 どれぐらい古い伝説なのかは定かではないが、 アマミキヨと伝わるからには、島立ての頃からの話。 また、琉球の稲作の地と伝わる海岸近くの受水走水 (ウキンジュハインジュ)には、御嶽上部に磐座があり、 その名は、「タカマシカマノ」と呼ばれる。それは、 「マナシカタマ」の変化したものだろうとの説もある。 電話の後、私は語り部に、あの東殿塚古墳の 埴輪に描かれていた古代船の写真を送った。 ![]() 卑弥呼と同時代、3世紀後半の古墳から出土した 埴輪に描かれていた古代船である。奈良県天理市 の龍王山一帯は古代豪族・和邇氏の本拠地で、 私はあの5月末、和爾赤坂比古神社に参拝していた。 「写真がちょっと不鮮明なのですが、私が視た竹籠 の船と似ていますね。卑弥呼一族の船だと思います」 そのときだった。和邇氏の祖とも言われる、 和爾赤坂比古神社の祭神について、閃いたものだ。 祭神は、吾田賀田須命(アタカタスノミコト)。 アタ・カタ・ス。(薩摩)の阿多から籠(カタマ) でやって来た祖先という意味じゃないだろうか…!? 和爾赤坂比古神社に参拝したときから、脳裏に 引っかかっていたそのご祭神・吾田賀田須命の名前。 朱産地を表していたのであろう「赤坂」を治めたヒコ。 相祀されるヒメは、市杵島姫と毛筆の説明板があった。 ![]() 語り部の意見を聞くと、こんな反応があった。 「和邇の祖でしょうが、元々の海神というよりは、 和邇氏系図に入り、この地を治めた海人のようです。 阿多は、(鹿児島県)薩摩半島の南西部ですね」 そうなのだった。ヤマト神話で、天孫ニニギが 山の神の娘であるコノハナサクヤ姫と結ばれた のが阿多の笠沙。また阿多隼人の本拠地でもある。 吾田賀田須命は、阿多隼人の祖か、和邇氏の祖か。 あるいは、阿多隼人の祖は、和邇氏の祖なのか。 また新たに難しい課題が浮上してきた。
by utoutou
| 2019-07-16 19:42
| 瀬織津姫
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