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六甲山と瀬織津姫 258 ヒカゲノカズラ

ヒカゲノカズラ(日陰蔓)で連想するのは、
まず天岩戸神話の天鈿女命(アメノウズメ)。

素戔男尊の狼藉に怒った天照大御神が、天の磐戸
を閉じて籠もったとき、神々がこぞって祈祷する
なか、天鈿女命は、磐戸の前にひっくり返した桶
の上で神がかり、天香具山のヒカゲノカズラを
 たすきに掛け踊った…というあの神聖なる祭具。

 古社の祭祀では、巫女の草冠としても用いる。

石見国一宮・物部神社の鎮魂(みたましずめ)祭
では、天鈿女命に倣って巫女がヒカゲノカズラを
  纏い舞う(写真を拝借再掲、過去記事はこちら)。
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神話での天鈿女命はまた、天香具山の榊を
髪飾りにし、また茅纒の矛を手に踊ったという
 が、その身に纏ったのはヒカゲノカズラだった。
 
なぜヒカゲノカズラ?  重用された意味は、
鎮魂法が、魂の再生を願う祭祀だったからか。

それには、地球最古の植物だった(リンク
というヒカゲノカズラがもっとも相応しい。
誕生した時代はデボン紀、なんと3億7千年前。
いわばカズラは、太陽と最初に出会った植物…。

そして天岩戸神話は、太陽信仰を描いた神話。
まさに磐戸に閉じ籠もった天照大神を呼び出す
には、日神を奉る祭祀でなくてはならない。
ヒカゲノカズラの「日陰」とは、現代での意味
とは真逆で、古語では「日光」のことであった。


ヒカゲノカズラは北半球に分布するツル性植物
で、日当りのよい場所の地面を這うように育つ。
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解説中、次のくだりに、目が釘付けとなった。
(ヒカゲノカズラは) 〜尾根筋や谷筋の鉱物質
が露出しているような場所に生育する(中略)。
この画像は、花崗岩地帯の小規模な土砂崩れ
の跡地で撮影したものである。〜

鉱物質の露出する場所…そして、花崗岩地帯。
まさに六甲山は花崗岩(御影石)の山…。


ところで、語り部はそもそもどんな脈絡で、
「ヒカゲノカズラ」と口走ったのだったか?
きっかけは、芦屋神社に祀られる小野猿丸だ。

祀られる神あるところに祀る民あり…。
その民・小野氏は鉱脈を歩く技術者集団だった。

小野氏の出自は和邇氏といい、天鈿女命の裔
 の猿女君と結ばれ、各地に猿丸伝承が生まれた。

猿丸太夫は、鉱床を探索しながら山を歩くとき、
いつも謎の呪言を唱えていたという。
「朝日さす夕日輝く木の下に…」と。
鉱床の在り処を示す木とは、ヒカゲノカズラ?


芦屋神社境内には東方を見通せる遥拝所があり、
ここが「朝日さす」地であることを教えるが、
ヒカゲノカズラ伝承は、残っていそうにない。
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遥拝所の右奥に写っている木は、何だろう?
もし芦屋市の市花・コバノミツバツツジならば、
この野生種にも花崗岩の地質を好む特徴がある。

中央構造線を示す「太陽の道」にある御壼山
(三重県美杉村)にも、謎の呪言が残っている。
「朝日さす夕日輝く御壼山
       ツツジの下に黄金千両」


by utoutou | 2019-09-08 18:02 | 瀬織津姫 | Trackback | Comments(0)
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