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六甲山と瀬織津姫 260 アシア族は日下部

海人族は大陸から稲を持って来たと言われるが、
のみならず、産鉄鍛治の技術を持って渡来した。

セーナナー伝承に残る、琉球から大和へ北進した
 海人七氏族や、東遷・東征した饒速日命や神武も、
 豊葦原の瑞穂の国を目指して日の本の大陸の東へ。

太陽神を信仰する日の一族である産鉄鍛治族は、
火の一族でもあり、森羅万象の霊(ひ)の一族
だったこととは、「シャーマンの血脈」で書いた。

すべての「ヒ」を斎き祀り司る神女こそが、
撞賢木厳之御魂天疎向津姫。大陸の広範囲にいた
倭族の日巫女には、完璧な霊力が備わっていた。

 倭族にとって日陰(影)の蔓(ヒカゲノカズラ)
とは、ヒを象徴する植物だった。

最近、語り部は言った。
「宇宙物理に通じるカタカムナを残したアシア族
とは、芦屋族のこと。元々は日下部も同族でした。
その日下部とは「ヒの御影(ヒノミカゲ)」…
日と火と霊を崇める民だったのだと思います」

 そのなかにアマミキヨもいたと私は理解したが、
この島々に渡来した最古の産鉄鍛治族は日下部。
7世紀、唐からは、日下(にちげ)と呼ばれた。

 ところで、天鈿女命が活躍する天岩戸神話は、
記紀の成立した8世紀初旬の作だ。神話の舞台
 は大和三山のひとつ、天香山(あめのかぐやま)。


奈良・山辺の道の龍王山頂上から見ると、左(南)
端に天香具山。大和三山は朱鉱床群のなかにある。
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天岩戸神話には、海人族(産鉄鍛治族)
の要素がふんだんに盛り込まれているようだ。

岩戸の前に参集した神々は、思金神、天津麻羅、
天児屋命、太玉命、伊斯許理度売命など海人系で、
天鈿女命はその代表的な神女として描かれている。

天鈿女命はヒカゲノカズラのたすきを掛け、
手には「茅纒の矛」を持ち、頭には、
「榊の蔓(まさきのかずら)」を被っていた。

茅纒(ちまき)の矛とは、スズ鉄の生る葦か。
古代の天香山周辺はまだ、水辺の葦原だった。

榊の蔓については、語り部がヒントをくれた。
「榊の蔓の榊とは、オガタマのことですね」と。

召霊木(おがたまのき)とも書く。文字通り神霊
を招く木。いまも各地の神社でよく見かける。
その榊(おがたま)の草冠を頭に被り、天鈿女命
は、天照大御神を岩戸から招くことに成功した。
(写真は、むなかた写真博物館より拝借)
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ヒカゲノカズラは、日の神の霊を、
茅纒の矛は、火の神の霊を、
招霊木は、神霊(ひ)を表す呪具だと感じる。

日下(にちげ)・倭・夷の日巫女こと
天鈿女命(撞賢木厳之御魂天疎向津姫)を、
新しく誕生した太陽神・天照大御神に
 記紀の編者は吸収させるべく、神話を整えた。

7〜8世紀、国号は倭国から日本へと変わり、
日下(にちげ)の信仰は消えゆく流れにあった。
天鈿女命(撞賢木厳之御魂天疎向津姫)が、
天照大御神の荒魂に転生する舞台として、
天岩戸の神話は作られたのではないか…。


龍神の祀られる御嶽の近くに天岩戸が多い
のも、向津姫の神影が隠されているからか…。
⇩室生吉祥龍穴(奈良県宇陀市)上の天岩戸。
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by utoutou | 2019-09-18 21:44 | 瀬織津姫 | Trackback | Comments(0)
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